本の感想・レビュー
雪の断章

雪の断章の感想・レビュー

佐々木丸美

東京創元社

ISBN: 9784488467043

読者の感想・読書記録

ブックミーに投稿された公開の読書記録です。感想はそれぞれの読者の意見です。

🐳さん

📚 ◽️「男が仕事に純粋だということは、人生ほのものに、通じているのではないだろうか。誰のため、何のため、に燃やした闘志はこんな形で今を生きているのではないか。」 ◽️「投げつけた言葉の意味は間違っていなくても一つの重みがあるのだということ。それこそ人の心の奥には言葉にならない感情がたくさん生きているのを悟べきだし、順子流の定規めは計りきれないってことなのよ」 ◽️「近づく過程を薄っぺらな同情や興味本位だと受け止められたらそれまでだけどね。 私は飛鳥と逆に人の心の痛や秘密に近づくほど絆が深まると信じてきた」 ◽️「両親が揃っていることは幸福の条件ではあるが幸福そのものではないからだ。人間にはたくさんの形があって幸、不幸などと一つの姿をとっているわけではない。飛鳥は身体の不自由な人のことを考えてあげたことはあるかい。飛鳥は一人だけれど一人で生きられる健康がある。彼らにはそれがない代わりに優しい兄弟や両親があるだろう。今、何不自由なく暮らしている者が明日になってそうでなくなるかもしれない。哀しみや喜びは公平に順番が回ってくるものなのだ。」 ◽️裏切りがあるから信じ、崩れるから積むのでしょう。溶けるから降るように。 ◽️「君自身が法律を愛するのなら止めないが単に僕の方向に添うためなら意味がない。 むしろ君が打ち込む別のもので僕の足りない部分を埋めてくれないか。そうすればお互いに尊敬できる。」 📚 再読!! 大人になってから読むと感じ方も違うだろうと、札幌に住んだら再度読むと決めていた。 飛鳥が冬の大通公園で暗い空に向かって点々と続くテレビ塔の灯りを見ている時、 三丁目のベンチに降り積った雪をよけ、凍えながら座った時、どんなに心細かったか。。。 彼女はまだ4歳だった。(4歳だっけ❓) 冬の大通公園の景色に気づけば飛鳥のような迷い子がいないか探していた。 飛鳥は本当に裕也さん、史郎さん、厚子さん、ちょっと意地悪なトキさんに出会えてよかった。特に厚子さんの存在は飛鳥にとって本当に重要だったと思う。男たちだけでは女の子を育てるには難しい部分もあるし打ち解ける人がいてよかったと思う。厚子さんの寄り添い方が絶妙だから飛鳥がどんどん素直な子になったとも捉えた。これ以上飛鳥が暗涙の悲しみを自制するのは切なくてみるに耐えられなかったから安心した。 愛は理屈じゃないと思う物語だった。 📚

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naoさん

奴隷同然の5歳の少女が、美青年に拾われ育てられることに。。 こうして、少しわがままで、少し恩知らずで、かなり強情な、普通の女の子へと成長していく。 そして美しくなっていく少女にいろんな意味で振り回される周りの大人たち。 いやー最後は辛かった。 普通は主人公の気持ちに没頭してしまいそうなものだが、本書に出てくる全キャラクターの心の内を追いたくなる。

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