🐳雪の断章
雪の断章

雪の断章

佐々木丸美

東京創元社

2008年12月

概要

迷子になった五歳の孤児・飛鳥は親切な青年に救われる。二年後、引き取られた家での虐めに耐えかね逃げ出した飛鳥に手を伸べ、手元に引き取ったのも、かの青年・滝杷祐也だった。飛鳥の頑なな心は、祐也や周囲の人々との交流を経て徐々に変化してゆくが…。ある毒殺事件を巡り交錯する人々の思いと、孤独な少女と青年の心の葛藤を、雪の結晶の如き繊細な筆致で描く著者の代表作。

ステータス

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📚 ◽️「男が仕事に純粋だということは、人生ほのものに、通じているのではないだろうか。誰のため、何のため、に燃やした闘志はこんな形で今を生きているのではないか。」 ◽️「投げつけた言葉の意味は間違っていなくても一つの重みがあるのだということ。それこそ人の心の奥には言葉にならない感情がたくさん生きているのを悟べきだし、順子流の定規めは計りきれないってことなのよ」 ◽️「近づく過程を薄っぺらな同情や興味本位だと受け止められたらそれまでだけどね。 私は飛鳥と逆に人の心の痛や秘密に近づくほど絆が深まると信じてきた」 ◽️「両親が揃っていることは幸福の条件ではあるが幸福そのものではないからだ。人間にはたくさんの形があって幸、不幸などと一つの姿をとっているわけではない。飛鳥は身体の不自由な人のことを考えてあげたことはあるかい。飛鳥は一人だけれど一人で生きられる健康がある。彼らにはそれがない代わりに優しい兄弟や両親があるだろう。今、何不自由なく暮らしている者が明日になってそうでなくなるかもしれない。哀しみや喜びは公平に順番が回ってくるものなのだ。」 ◽️裏切りがあるから信じ、崩れるから積むのでしょう。溶けるから降るように。 ◽️「君自身が法律を愛するのなら止めないが単に僕の方向に添うためなら意味がない。 むしろ君が打ち込む別のもので僕の足りない部分を埋めてくれないか。そうすればお互いに尊敬できる。」 📚 再読!! 大人になってから読むと感じ方も違うだろうと、札幌に住んだら再度読むと決めていた。 飛鳥が冬の大通公園で暗い空に向かって点々と続くテレビ塔の灯りを見ている時、 三丁目のベンチに降り積った雪をよけ、凍えながら座った時、どんなに心細かったか。。。 彼女はまだ4歳だった。(4歳だっけ❓) 冬の大通公園の景色に気づけば飛鳥のような迷い子がいないか探していた。 飛鳥は本当に裕也さん、史郎さん、厚子さん、ちょっと意地悪なトキさんに出会えてよかった。特に厚子さんの存在は飛鳥にとって本当に重要だったと思う。男たちだけでは女の子を育てるには難しい部分もあるし打ち解ける人がいてよかったと思う。厚子さんの寄り添い方が絶妙だから飛鳥がどんどん素直な子になったとも捉えた。これ以上飛鳥が暗涙の悲しみを自制するのは切なくてみるに耐えられなかったから安心した。 愛は理屈じゃないと思う物語だった。 📚

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