大学四年生で初めて読んだとき、苦しいほどに胸に刺さった。まるで、私じゃないか、と思った。まくし立てるような文体で、絶妙な言葉が雪崩のように押し寄せてくる感じ。とにかく刺さった。物語も、文章も、大好き。今でもたまに読み返す、名作。私の人生作品。 映画も小さい映画館に観に行ったし、DVDも買った。
元の読書記録を見る勝手にふるえてろの感想・レビュー
綿矢 りさ
文藝春秋
ISBN: 9784167840013
読者の感想・読書記録
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誰にでも経験したことがあるようなないような。「初恋は実らない」「二番目に好きな人と結婚すると幸せになれる」など、恋愛あるいは結婚にまつわる通説が蔓延する世の中で、それらに反旗を翻すかの如く「私は違うんだ」と主張できるのはある種の才能だと思う。 青春時代にありがちな私と貴方だけの世界という思い込みは、年を重ねるごとに薄まっていって嫌というほど現実に順応していくもの。 でも主人公は、時間と共に際限なく美化され続けていく思い出と共に生きているんだけれども、所々大人ならではの思考というか、好き嫌いの判断基準が出てきたり例えが出てきたりして、いい意味でバランスの悪さが感じられる。そこが人間臭さの根源なのかなぁ。本全体を通して話されているのは、ずっと好きな人と好きになってくれる人。どちらを選ぶかというテーマは恋愛モノ好きにとって永遠の命題だと思う。 やっぱり理想の中の一番は自分にとって絶対的評価軸だし、あの人はこうなのにこの人はダメだとか、こういう言動が鼻につくとか、ついつい比較対象にしてしまうもの。 そういった感情や感覚を言葉にするのって多少躊躇ったり心に留めておくことがほとんどだろうけど、主人公はそこから自分の中の思いが肥大化しすぎて最終的にズル妊娠の領域まで到達する。ここまで突き抜けると第三者としてはめちゃくちゃに面白いし、こんな変遷を辿ってこの境地に行き着くのかと驚いた。 自分の中でメタ認知を意識せずに醸成し尽くしたら、きっと私は私のゴールが出来上がるんだろうな。やってみたい気もする。 言葉としては、なんだか自分の友達であるかのような親近感を湧き立てるパーツが多いと感じた。例えもクスっと笑ってしまうものもたくさんあった。
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