上下巻を通しての感想 主人公と一緒に旅をし、そして読後には今日、そして明日への確かな一歩を踏み出せるような作品。 異世界からやってきた金髪イケメンに女子高生が連れ去られるという、鉄板少女漫画な展開かと思いきや、そんな甘い世界じゃない。 主人公に怒涛のように押し寄せる苦難。異世界なのに、あまりにもリアルすぎる。なぜなら、人生で苦難に遭う時期とは、大体これでもかと重ねて押し寄せてくる気がするから。 希望をもっても挫かれる。今まで自分が大切に持っていたものが崩れる。意味がなかったと気付く。これまでの人格なんて消え去ってしまうレベルに余裕なんて無くなる。「生きる」ために獣のようにただ毎日をやり遂げる。そして気付いた頃には自分という人間の輪郭は溶けている。 そんな中で、希望となるのは他人でも新しい状況でもない。自分自身がどうあるかまず自分で決めることなのだと、この作品を読んで改めて思う。 「バカをやって、それが自分の損になるだけだとわかってても、人はあえて罪に踏み込むことがある。人は愚かだ。苦しければ尚、愚かになるってことだな。」 「どっちを選んでいいか分からないときは、自分がやるべきほうを選んでおくんだ。そういうときはどっちを選んでも必ずあとで後悔する。おなじ後悔するなら、少しでも軽いほうがいいだろ」
元の読書記録を見る月の影 影の海(下) 十二国記の感想・レビュー
小野 不由美
新潮社
ISBN: 9784101240534
読者の感想・読書記録
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陽子と一緒に、ようやくいろいろな謎が解けて状況が理解できるようになる巻。他人事として読んでいる私には「そういうことだったのか!」とスッキリするけど、当事者の陽子はよけい困惑するのも当然の事実でした。 最初に十二国記を知ったのが昔アニメで見たからで、そのときの印象が強すぎて、陽子が偽王軍に対して名乗りを上げるところも今作に書かれていると思ったら、そこは別の巻になりました。早くそこも読みたい!と思ったけど、順番でいうと次は陽子が主人公じゃなくてちょっとガッカリ。まぁ次の泰麒の話も好きなのでいいのですが。 初めて読んだときより自分が大人になっていた分、親目線で読んでしまうところもあり、特に陽子の本当の両親が卵果を失ったであろうという説明は、あっさり書かれているのになんだか泣けてしまいました。
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