本の感想・レビュー
斜陽改版

斜陽改版の感想・レビュー

太宰治

新潮社

ISBN: 9784101006024

読者の感想・読書記録

ブックミーに投稿された公開の読書記録です。感想はそれぞれの読者の意見です。

みありさん

「あなたが好き」というのをストレートに表現するのではなく、「あなたの赤ちゃんが産みたい」と表すところが衝撃的でした。

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Ottさん

『斜陽』って、読んでて本当に胸に刺さる作品でした。没落していく貴族の家族の話なんだけど、ただの時代小説じゃなくて、現代の私たちにも通じる心の苦しさが描かれてるなって思いました。 直治の日記にある「早熟のふりをすれば早熟だと言われ、怠け者のふりをすれば怠け者だと言われる」って言葉がすごく印象的。人って結局、周りの目を気にして、自分を演じちゃうところがあるんだなって。しかも、その演じる重さに自分で押しつぶされてしまうのが切ない。 和子と直治、姉弟なのに全然違う堕ち方をしていくのも面白い。和子は恋愛で空虚を埋めようとするし、直治はお酒や薬に逃げちゃう。お母さんはずっと上品さを保ったまま、静かに死を待っているみたいで、それもまた悲しい。 この作品のすごいところは、ただ暗いだけじゃなくて、堕ちていく姿さえもどこか美しいところ。直治の独白はすごく頭が良くて、和子の行動もどこか詩的で、読んでると悲しいのに目が離せないんです。苦しみをそのまま抱え込むんじゃなくて、「美しいもの」にしてしまう感じが、現代人っぽいなって思いました。 夕陽に照らされた登場人物たちを見てると、戦後の日本だけじゃなく、今の私たちの姿にも重なる気がします。結局、私たちもどこかで同じように、優雅に自分を壊していってるのかもしれない……そんなことを考えさせられる一冊でした。

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soさん

戦後の空気を感じられてよかった

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⋆⭒˚.⋆𝜗𝜚さん

父は太宰治が好きで、子どもの頃から耳にタコができるほど太宰治の話を聞かされていた。その度「太宰治は学生のうちに読んでおいた方がいい」と言っていた。 小学生の頃、一度人間失格を読んだことがあったが、そのときは内容をうまく理解することができず、それ以来しばらく太宰治の作品を読んでいなかったけど、斜陽を読んで、父が言っていた言葉の意味が少し分かった気がした。それに自分が成長したからか、太宰治の文章はとても読みやすく、分かりやすい文体だと感じた。 斜陽を読んで、時代が変わることで人の生き方や価値観も大きく揺らいでいくように感じた。 かず子は苦しい状況の中でも、自分の意思で生きようとしていた。その姿は、ただ没落していくだけではなく、新しい時代を生きようとする強さのようにも思えた。 弟の直治には太宰治を感じた。社会に上手くなじめず、自分の弱さを抱えて生きていたところや、太宰治自身も裕福な家で育っていたところなどが重なっているような気がして、それによりリアルさがでている気がして、太宰治という作家を少し近くに感じた。

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