2023年本屋大賞受賞作品 瀬戸内の島で出会った17歳の男女。お互い親に苦労させられて自由になりたいと願うが様々な困難が次から次へと巻き起こる。 ヤングケアラーの問題、男女の格差、田舎の閉塞感、都会に出て成功した男が変わっていく様など、ストーリーはよくあるものだが、ありきたりではなく引き込まれていったのは作者の力だと感じた。 プロローグとエピローグがほぼ同じなのにも関わらず、感じ方が全く変わってしまった事がすごい! 2026.6.27Audible聴了
元の読書記録を見る汝、星のごとくの感想・レビュー
凪良 ゆう
講談社
ISBN: 9784065401880
読者の感想・読書記録
ブックミーに投稿された公開の読書記録です。感想はそれぞれの読者の意見です。
2025/07
元の読書記録を見る「誰かに遠慮して大事なことを諦めたら、あとで後悔するかもしれないわよ。そのとき、その誰かのせいにしてしまうかもしれない。でもわたしの経験からすると、誰のせいにしても納得できないし救われないの。誰もあなたの人生の責任を取ってくれない」 「わたしは仕事をしていて、それなりに蓄えもある。もちろんお金で買えないものはある。でもお金があるから自由でいられることもある。たとえば誰かに依存しなくていい。いやいや誰かに従わなくていい。それはすごく大事なことだと思う」 「あんたの中心はあんたやで。どんだけ惚れても自分の城は明け渡したらあかん。自分で自分のことつまらんとかも言うな。あんたの価値はあんたが決めるんや」 生まれるとき、人にはそれぞれ与えられるものがある。それは輝く宝石であったり、足首にはめられた鍋の球だったりする。なんであろうと投げ出せず、それはおそらく魂に組み込まれたものなのだろう。生まれて死ぬまで、誰もがあえぎながら己の魂を引きずる。 「結ちゃんは、ひとりで生きていくつもりなの?」 「ううん。ひとりでも生きていけるようになりたいだけで、ひとりはいや」
元の読書記録を見るそれぞれの不器用な人間性にやきもきし、苦しくなる描写も多かったが、一気に読み進めてしまうような没入感があった。「自分を縛る鎖は自分で決める」この言葉が印象に残った。どんなに自由になるために羽ばたこうとしても、人はどこかに属さないと生きていくことはできない。だから、せめて自分が属す場所を自らの手で選べるように、何かに依存することなく生きていけるくらい自立する。 さらに、何かを選ぶには何かを捨てる必要があるという、奇しくも自分の親の浮気相手であり尊敬する人物からの言葉にもハッとさせられる。それが、暁海にとっては櫂だった。切なすぎる大恋愛で、周りの登場人物だってみんなおかしい。けど、これはただ単純な恋愛小説ではなく、自分にとって大事なことは何か。それを改めて考えさせられるような物語だったように思う。 この本が映像化するということで、この諸々の複雑さをどんな風に描くのか、楽しみだ。
元の読書記録を見るよかった
元の読書記録を見る人生ではじめて、文字を読んで涙を流したかもしれない 毎日を窮屈に感じている自分、親という切れない鎖で繋がれた存在に嫌気がさしている自分、将来を思い不安に潰されそうな自分、全てに響いた
元の読書記録を見る再読。初回の方が心が動いたかも。
元の読書記録を見る凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』です。 本屋大賞を取った作品で、26年秋に映画化の公開が予定されています。 瀬戸内海に浮かぶ小さな島を舞台に、井上暁海と青埜櫂の愛を描いた小説です。以下、あらすじなので知りたくない方は一読をご容赦ください。 物語は、すでに壊れかけた家庭で生きる暁海の日常から始まります。暁海の父は島に移住してきた刺繍作家の林瞳子と不倫関係にあり、やがて家を出て彼女のもとに移り住みます。父を失った母は精神的に不安定になり、暁海は高校生でありながら家事や母の世話を担う立場になっていきます。島という閉鎖的な共同体では噂がすぐに広まり、暁海の家庭事情も周囲に知られていました。 青埜櫂は京都から島に転校してきた学生です。母子家庭の母は恋愛を最優先する人物で、男が変わるたびに住む場所も変え、櫂を振り回してきました。島へ移り住んだ理由も、母が新しい恋人を追いかけてきたためでした。暁海と櫂は、互いに親の問題を背負わされている境遇から親しくなり、放課後に会って話すようになります。家庭の中に安心できる居場所をもたない二人は、次第に互いを特別な存在として受け入れ、恋人関係になります。高校時代、二人は花火大会の日に関係を持ち、それを化学教師の北原に見つかりますが、北原は二人を強く咎めることはありませんでした。 高校卒業後、櫂は漫画原作者になる夢を追い、作画担当の久住尚人と組んで東京へ上京します。一方、暁海は母を島に一人残すことができず、進学を諦めて地元の会社に就職します。二人は遠距離恋愛を続け、当初は休暇のたびに会い、関係も保たれていました。櫂は漫画の原作者として順調に成功し、連載が軌道に乗り、やがて作品がアニメ化されるなどして収入も社会的評価も高まっていきます。しかし、多忙な生活と成功による変化の中で、櫂の生活は次第に荒れ、浮気をするようにもなります。一方、暁海は低賃金で働きながら母を支える生活から抜け出せず、櫂との間に、生活環境や価値観の差が広がっていきます。 久しぶりに島で再会した際、二人の間でその溝が表面化し、諍いの末に別れを選びます。櫂はこのとき、暁海にプロポーズするつもりで指輪を用意していましたが、それを渡すことはできませんでした。別れの後、櫂にはさらに不運が重なります。漫画制作のパートナーであった尚人が、未成年との関係を疑われるスキャンダルで週刊誌に報じられ、実際の事情にかかわらず連載は打ち切られます。櫂の漫画家としての活動は事実上終わり、尚人は精神的に追い詰められていきます。 一方、暁海の生活も安定には程遠いものでした。母が宗教に傾倒し、家の貯金を使い果たした末、暁海が激しい言葉で母を責めた直後、母は事故を起こし、多額の賠償金が必要になります。暁海はやむなく櫂を頼り、300万円を借ります。その後、暁海は毎月決まった額を返済し続けますが、個人的な関係を再び持つことはなく、二人のつながりは金銭のやり取りだけとなります。櫂にとっては、その振り込み記録だけが暁海との唯一の接点となっていきます。 30歳前後になった頃、暁海は高校時代の恩師である北原から結婚の提案を受けます。それは恋愛感情を前提としたものではなく、「互助会のような結婚」としての関係でした。暁海は生活の安定を選び、北原と結婚します。刺繍の技術を磨いていた暁海の仕事も徐々に軌道に乗り始めます。同じ時期、櫂は暁海の結婚を知り、自身の漫画家引退を決めます。ほどなくして胃がん(ステージ3)を宣告され、さらに尚人が自ら命を絶つという出来事が重なり、櫂は心身ともに行き場を失っていきます。 櫂の母は息子の病と向き合うことができず、暁海に櫂を見てほしいと頼みます。北原は暁海に、櫂の最期の時間を共に過ごす選択をするよう背中を押します。暁海は東京へ行き、櫂と短い日々を共に過ごしたのち、二人で島に戻り、花火大会を見ます。夜空に花火が打ち上がるその瞬間、櫂は暁海の腕の中で静かに息を引き取ります。 物語のエピローグで、暁海は再び北原のもとへ戻り、島での生活を続けています。北原は月に一度、過去に関わりのあった女性と会っており、そのことも含めて島ではさまざまな噂が立ちますが、暁海はそれらに大きく心を乱されることなく日々を送っています。櫂が最後に書いた小説が暁海の元に送られています。そのタイトルは『汝、星のごとく』です。 とても面白いです。あっというまに2日くらいで読み切ってしまいました。付け足すところは何もないような恋愛小説、でしょうか。 星、海、波、そして花火。 美しい情景描写が思い浮かびます。 「櫂はもう握り返してこない。 煌めきながら散っていく、あの星たちの中にいるのだろう。」
元の読書記録を見る切ない、でもリアルで結局相手のことを一瞬も忘れられない部分がめちゃくちゃ刺さった。
元の読書記録を見る大切な方から先月、誕生日プレゼントで頂いた一冊。 凪良ゆうさんの本は、流浪の月に続いて2作品目でした😊 いやぁ…「生き方」について、深く考えさせられる内容+、二人の主人公(櫂と暁海)のそれぞれが壮絶な親子関係で、私の家庭環境と類似していた為、とても他人事とは思えませんでした! 特に私が深いと思ったのが、 【― いつになったらあなたは自分の人生を生きるの?―】 という部分に、このままの生き方でいいの?と強いメッセージが込められていると感じ、自分の中で未だに自問自答中。 ホントに読んで良かったなぁっと心から思った作品でした(^O^)v親子関係で悩んだり、苦しくなった時にまた再読しようと思います\(^o^)/ 日曜からは本屋大賞ノミネート作品である「ありか」を読み始めます★
元の読書記録を見る綺麗な表紙に引かれて買ったけど、裏腹に内容は残酷で胸が苦しくなった 綺麗な情景と人間の息苦しい世界
元の読書記録を見る色んな人生/家族・家庭の状況があるけど、私たちは等しく自らを生きる権利がある。 『自ら選んだ時点で、人はなんらかの責を負う。・・・それを枷と捉えるか、自分を奮い立たせる原動力と捉えるか。なんにせよ、人はなにも背負わずに生きていくことはできない。』 私は何を背負っているんだろう。
元の読書記録を見る苦しくて、切ない… 自分と重ねるところがあって泣きそうになった。 きっと切ない内容なんだろうなって思って読むのを躊躇ってたけど、読んでよかった。
元の読書記録を見る親に振り回されていた2人のすれ違いが心に残った。今まで読んだ本の中で一番感動したと思う。続きの「星を編む」も早く読んでみたい。
元の読書記録を見る読んだ記憶を消してもう一度読みたい作品。 情景描写、心情表現が細やかでリアルなので、「この気持ちわかるわー」と思いながら、どんどん読み進めることができた。いい意味で淀みがなく読みやすい作品。スピンオフ?の方も読んでみたい。
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