号泣する準備はできていた
江國香織
新潮社
2003年11月
概要
大丈夫、きっと切り抜けるだろう。-体も心も満ち足りていた激しい恋に突然訪れた破局、その哀しみを乗り越えてゆくよすがを甘美に伝える表題作、昔の恋人と一つの部屋で過ごす時間の危うさを切り取る「手」、17歳のほろ苦い恋の思い出を振り返る「じゃこじゃこのビスケット」など、詩のように美しく、光を帯びた文章が描く、繊細な12の短篇。
ステータス
読んだ
レバニラさんの感想・評価
美しい短編集だった。若い男女だったり、夫婦だったり、女の子同士だったり基本的には恋愛の話がベースだったけど、その中でも「住宅地」が変わっていて、やや不穏で、でも別に事件が起こるわけでもなく、印象に残った。 表題作の「号泣する準備はできていた」は今まで読んだ恋愛小説で1番好きになった。 「私たちは、一切の策を弄さずに愛し合いたかった。また、もしいつかどちらかが気持ちを変えたら、無条件に赦して手を離せると信じたかった。」 恋愛の話と並行して主人公が姪っ子を心から愛していて、いつか姪っ子をパリに連れて行って、フィッシュスープを食べさせたい。と思う描写もまたすごく素敵だった。
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