zomy母という呪縛 娘という牢獄
母という呪縛 娘という牢獄

母という呪縛 娘という牢獄

齊藤 彩

講談社

2022年12月16日

概要

2018年3月、滋賀・守山市野洲川の河川敷で、両手、両足、頭部を切断された体幹部だけの遺体が発見された。遺体は激しく腐敗しており、人間のものか動物のものかさえ判別が難しかったが、その後の捜査で、近所に住む58歳の女性のものと判明する。女性は20年以上前に夫と別居し、31歳の娘と二人暮らしで、進学校出身の娘は医学部合格を目指して9年間もの浪人生活を経験していた。警察は6月、死体遺棄容疑で娘を逮捕する。いったい二人の間に何があったのかー。司法記者出身のライターが、獄中の娘と交わした膨大な量の往復書簡をもとにつづる、渾身のノンフィクション。

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zomyさんの感想・評価

2023/07/17読了。 母殺しをしてしまった娘の視点とナレーションで語られるノンフィクション。 内容は本の紹介にある通りなので、とくに期待から外れた部分は無かったものの、冒頭から、母から娘への悪意に満ちた罵詈雑言の嵐が何章にも渡って続くため、途中で何度か心が挫けそうになった。 精神的に少し敏感になっている方には全くおすすめ出来ない。 作中の母の不寛容さや情緒のあまりの不安定さはきっと何らかの病に精神を侵されていたのだと思えるが、当人も、周囲の人間(娘、夫、友人)もその事に気付くことが出来なかったことが、惨劇の発端になっている(ように私には思える)。それは、母自身も親子関係上に確かな信頼と安心を築く事が出来なかったことに起因するのかもしれないが―――なんにせよ、親子関係が拗れに拗れると、あんな言葉を四六時中相手に投げつける事が出来るのかと、一種の驚きも抱いたほど。 そして娘もまた、上手く情緒が育っていないかのような、とくに母殺害後の振る舞いから、ある部分においてはひどく幼く未熟な印象を受けた。 いずれにせよ、人を支配するという行為はどういった物事なのかを、まざまざと見せつけられるような作品だった。 前向きに締めくくられてはいるが、読後感はあまりよろしくない。心に小さな鉛の錘のようなものが、まだ沈殿している感覚がある。

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