なれのはて
加藤 シゲアキ
講談社
2023年10月25日
概要
第170回直木賞候補作! 一枚の不思議な「絵」から始まる運命のミステリ。 生きるために描く。それが誰かの生きる意味になる。 ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は、異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)から、祖母に譲り受けた作者不明の不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた。 1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。 芸術が招いた、意図しない悲劇。 暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。 長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。 戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。 「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」
ステータス
読んだ
メモ
読書期間:2025/7/29〜9/1 ★
ま。さんの感想・評価
友達からのおすすめ おっっっもろかった…… 正直あらすじ読んだ時点では「(゚ω゚)?」ってかんじで面白いのかこれは…??友達はジャニーズが好きでこの作者様も好きだから勧めてきたのか…?でも読み物として面白かったって言ってたし…と思っていた。 読み始めたらあらすじ読んだ時とは違う読みやすい文章感があってそこでまず良いギャップを感じた。 一枚の絵で展覧会の開催を目指すにあたり絵の著作権の所在を調べたりなんだりする話なんだけども、主人公たち目線の章の間に、絵に関係する人物たちの話が入るっていう展開の仕方。 どんどん秘密が明かされるけど割とあっさりさらっと「え、いまなんて言った?結構やばいことさらっと書いてない?」みたいなところもある。 実際に日本に起きた空襲の話や著作権の話、報道部関係の話だったり大人気アニメのデーモンストーリーズとか、世界で爆発的に感染症が蔓延した話とかも含まれるからメタいというか、「今実際にこの世界で起きていること」っていう感じがしてどこか他人事じゃない感覚を持ちながら読めたかも。 でもコロナっぽい話になった時は「そんなのもういいからスッと穏やかに勧めてくれよ〜!」ってなっちゃった。 ただ、やっぱり彼らがここに確かに生きている感を出すには避けては通れない歴史だろうから必要だよね〜〜〜 登場人物(主に過去の人物)たちが読み進めるに連れてうっすら嫌いになっていくというか、相関関係図がないとぐちゃっとしちゃいそうなドロドロさだった。でもまさか最後にあんなに「彼らは幸せにならないと許さん」と思う推し(?)ができるとは……… 作者様の知識にも脱帽。 よくこんなにいろんなことを知ってて物語に落とし込めるな… いろんな問題も起きてたけどそれもするっと風呂敷でまとめあげた感じの終わり方ですごい。 全部うまくまとまってるのでは。 この作品になれのはてというタイトルをつけることも洒落てるなあなどと思った。
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