1973年のピンボール
村上 春樹
講談社
2004年11月15日頃
概要
僕たちの終章はピンボールで始まった 雨の匂い、古いスタン・ゲッツ、そしてピンボール……。青春の彷徨は、いま、終わりの時を迎える さようなら、3(スリー)フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との<僕>の日々。女の温もりに沈む<鼠>の渇き。やがて来る1つの季節の終りーーデビュー作『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く3部作のうち、大いなる予感に満ちた第2弾。
ステータス
読んだ
けんせいさんの感想・評価
「これはピンボールについての話である」という前置き通り、確かにピンボールについての話だった。だが、それに至るまでの煙草、ビール、配電盤を繰り返し登場させる、青春のほろ苦い日々は、ほとんどが蜃気楼のような存在しているかしていないのか、分からない薄らとしたものだった。 という感想を書いている間にも、村上春樹の小説の文体の影響を受けているから、村上春樹は恐ろしい。 ピンボールに熱狂してからの僕の心の動きはとても入り込めるし、好感が持てる。 双子の二人は人格的区別が全くないのが面白い。配電盤の葬儀を厳粛に行う姿は愛らしいが、どこか空虚であった。 村上春樹小説としては、まだまだ初期のもので、ここからさらに自由な文体を確立していくので、その過渡期のものだと思った。
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