しろくま君の顔では泣けない(1)
君の顔では泣けない(1)

君の顔では泣けない(1)

君嶋 彼方

KADOKAWA

2024年06月13日

概要

高校1年生の坂平陸は、ある日突然クラスメイトの水村まなみと体が入れ替わってしまう。どうやら一緒にプールに落ちたことがきっかけのようだ。突然のことに驚き、戸惑いながらも入れ替わったことはお互いだけの秘密にしようと決めた2人。しかし意外やそつなく坂平陸として立ち振る舞うまなみに対し、陸はうまく水村まなみとして振る舞えず、落ち込む日々が続く。まなみの家族との距離感、今まで話したこともなかったまなみの友達との会話、部活の顧問からのセクハラ……15年間、男子として生きてきた自分が、他人の人生を背負い女性として生きること。いつか元に戻れる日を諦めきれないまま、それでも陸は高校を卒業し上京、そして結婚、出産と、水村まなみとしての人生を歩んでいくことになるーー入れ替わった後の15年を圧倒的なリアリティで描く、第12回小説野性時代新人賞受賞作!! 君の顔では泣けない アナザーストーリー【Side M】

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しろくまさんの感想・評価

ある日、高校一年生の男女の体が入れ替わってしまう。あらすじに書いてあることだ。ありきたりと言われればそうかもしれない。 だが、圧倒的に違うのは、入れ替わってから何年もそのままだということ。 入れ替わった状態でその人生を生きる。 主人公の男の子が女性の身体で生きていくことで、女の性としての世間との関わり方や良くも悪くも様々な影響を強いられ、それがはっきりと浮き彫りになることや元々歩んでいた人生が離れていってしまう苦しさが描かれていて読むのが辛くなることが多々あった。 それに体が入れ替わるということは人生が入れ替わるということであり、ある意味で大事な人との別離をも意味する。 その全ての要素に何度も読むのが辛くなり、本から顔をあげ天を仰ぐことになった。それでも読みたかった。途中ではやめられない面白さだ。そして単に体が入れ替わる以上の苦しみや葛藤が描かれながらも、人生を生きるとはどういうことか?という純粋な問いに一種の答えをくれるような作品だった。

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