平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版
宮崎 智之
筑摩書房
2024年06月10日頃
概要
注目の文芸評論家、エッセイストによる等身大の言葉で日常を鮮やかに描いた文章集。増補を加えて待望の文庫化。解説 山本貴光・吉川浩満 退屈な日常は、著者にかかると刺激的な世界へ変わる。 注目の書き手によるエッセイ集、待望の文庫化。 真の意味で優しい人が書いた、読んでいるだけで気持ちがどんどん落ち着いていく本です。吉本ばなな 山本貴光・吉川浩満によるW解説を収録 アルコール依存症、離婚を経て、取り組んだ断酒。自分の弱さを無視して「何者か」になろうとするより、生活を見つめなおし、トルストイとフィッシュマンズなどに打ちのめされながらも、すでにあるものを感じ取るほうが人生を豊かにできると確信する。様々な文学作品を引きながら、日常の風景と感情の機微を鮮やかに言葉にする。新たに3篇を加え増補新版として文庫化。 解説 山本貴光・吉川浩満 カバーデザイン 小川恵子(瀬戸内デザイン) カバー作品 勝木杏吏 作品撮影 森田直樹 1章 僕は強くなれなかった 打算的な優しさと「〇を作る理論」 「何者か」になりたい夜を抱きしめて 僕は強くなれなかった ありのままの世界 平熱のまま、この世界に熱狂したい 2章 わからないことだらけの 世界で生きている 朝顔が恋しているのは誰? 不快だけど大切なことを教えてくれた作品 私はそうは思いません 35歳問題 わからないことだらけの世界で生きている 3章 弱き者たちのパレード 二瓶さんとの雅な蹴鞠 舌の根が乾かないおじさん ヤブさん、原始的で狂おしい残念な魅力 紳士は華麗にオナラする 肉と人と醜いアヒルの子 中田英寿に似た男 4章 弱くある贅沢 「細マッチョ」をめぐる冒険 クローゼットの中の時間 弱くある贅沢 僕の好きだった先輩 補章 川下への眼 一生懸命で寂しい人 八〇〇回目くらいの話 川下への眼 あとがき 文庫版あとがき 飄然と、弱い自分を語ることから始める 山本貴光 全身随筆家 吉川浩満
ステータス
読んだ
miiさんの感想・評価
とても良かったです。 日常に対する眼差し、自分の頭で考え抜いた思考、それらすべてをこれだけの文章に落とし込められることが羨ましい。 ほぼ同年代の著者。コロナ禍での出産、ほぼ同年齢のほぼ同じような病気による父の死など、共通することが様々あり、特に父の死に関しては、もう何年も消化も昇華もできず、人の書いた文章を読んでみても共感も納得もできず、宗教も全く信じられず、モヤーっとしたまま澱が溜まる一方だったのだけど、初めて、言語化してくれる人が現れたと思いました。 感傷を煽るでもない淡々とした筆致に色々なことを思い出して、そうだよなぁ、そうだったんだよなぁ、と泣きました。 我が子の生きる時間に参加できる喜び。そして寂しさ。そう、これは「寂しさ」なんです。今この瞬間にもぜんぶ過去になってゆく、この日常を私もしっかり掴み取りたい。 折に触れて何度でも読み返すと思います。
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