とても良かったです。 日常に対する眼差し、自分の頭で考え抜いた思考、それらすべてをこれだけの文章に落とし込められることが羨ましい。 ほぼ同年代の著者。コロナ禍での出産、ほぼ同年齢のほぼ同じような病気による父の死など、共通することが様々あり、特に父の死に関しては、もう何年も消化も昇華もできず、人の書いた文章を読んでみても共感も納得もできず、宗教も全く信じられず、モヤーっとしたまま澱が溜まる一方だったのだけど、初めて、言語化してくれる人が現れたと思いました。 感傷を煽るでもない淡々とした筆致に色々なことを思い出して、そうだよなぁ、そうだったんだよなぁ、と泣きました。 我が子の生きる時間に参加できる喜び。そして寂しさ。そう、これは「寂しさ」なんです。今この瞬間にもぜんぶ過去になってゆく、この日常を私もしっかり掴み取りたい。 折に触れて何度でも読み返すと思います。
元の読書記録を見る平熱のまま、この世界に熱狂したい 増補新版の感想・レビュー
宮崎 智之
筑摩書房
ISBN: 9784480439635
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