水たまりで息をする
高瀬 隼子
集英社
2024年05月21日頃
概要
「風呂には入らない」。ある夜、夫がそう告げた。問うと、水が臭くて体につくと痒くなるという。何日経っても風呂に入らない彼は、ペットボトルの水で体を濯ぐことも拒み、やがて雨が降るたび外に出て雨に打たれに行くようになる。結婚して10年、この先も穏やかな生活が続くと思っていた衣津実は、夫と自分を隔てる亀裂に気づきー。誰しもが感じ得る、今を生きる息苦しさを掬い取った意欲作。
ステータス
読んだ
こめぱんさんの感想・評価
ある日を境に風呂に入らなくなる夫とそれに困惑する妻。異様に水道水を嫌がる夫の生活は徐々に普通の生活から逸脱していく。 変わってしまった夫に寄り添う心と、どこか客観視する冷たい心に揺れる妻の心情がとても共感できた。いきることの苦しさや、心優しくあっても人と生きるうえで共有しきれない残酷さが描かれていた。そうであったとしても、健気にその通り生きていくしかないのだと思える、残酷ながらも平凡で美しいラストが印象的だった。金魚の台風ちゃんの話や妻と夫の会話もよかった。優しくも息苦しさを感じるみなさんにぜひよんでほしい。綺麗事じゃない。けれども優しく健気にいきたい。
この本を読んだ人の感想
ショップ
あなたの感想も、読書仲間へ
ブックミーで読んだ本を記録して、感想を共有できます。