踏切の幽霊
高野 和明
文藝春秋
2022年12月13日
概要
マスコミには、決して書けないことがあるー都会の片隅にある踏切で撮影された、一枚の心霊写真。同じ踏切では、列車の非常停止が相次いでいた。雑誌記者の松田は、読者からの投稿をもとに心霊ネタの取材に乗り出すが、やがて彼の調査は幽霊事件にまつわる思わぬ真実に辿り着く。1994年冬、東京・下北沢で起こった怪異の全貌を描き、読む者に慄くような感動をもたらす幽霊小説の決定版!
ステータス
読んだ
もちさんの感想・評価
ただ迫りくる恐怖を楽しむエンタメホラーではなく、人生の意味を考えさせられる社会派ミステリーだった。超常現象の描写や、加害者が次々と祟られる様子には、出来過ぎ感と現実味の薄さが否めないけど、胸に迫るリアリティはすごい。踏切の彼女について知るほど、人生の不平等さ、理不尽さ、無情さを思い知らされて悲しくなった。松田の取材で真実が明るみに出て、彼女の無念や悔恨が晴れてるといいな。少しでも救われた気持ちで、彼女を想う母の元へ帰れてることを願う。「13階段」に比べて、入り込むまでに少し時間がかかったけど、最後まで読んでよかった。寂しくやるせない読後感の余韻にしばらく浸ってしまいそう。
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