もち七月に流れる花
七月に流れる花

七月に流れる花

恩田 陸/酒井 駒子

講談社

2016年12月20日頃

概要

坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城ー夏流城での林間学校への招待状が残されていた。ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。城には三つの不思議なルールがあった。鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。水路に花が流れたら色と数を報告すること。少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。

ステータス

読んだ

もちさんの感想・評価

物語の舞台や"夏の人"の存在が少し不気味で、ミステリーのふりしたホラーなのかとドキドキしながら読み進めたら、なかなか悲しい結末だった。まさか夏流城が流行病の末期患者を隔離するためのシェルターだとは思わなかった。相変わらず、純文学のような瑞々しい感性と繊細な文章、恩田さん独自の静謐でノスタルジックな世界観が素晴らしい。恩田さんの作品には、彼女が育った時代・土地の雰囲気や記憶の底流が強く感じられる。それがあの上質なノスタルジーを生み出してるんだと思う。いつか東北を訪ねて、この唯一無二の感性が育まれた土地を見てみたいものです。

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