物語の舞台や"夏の人"の存在が少し不気味で、ミステリーのふりしたホラーなのかとドキドキしながら読み進めたら、なかなか悲しい結末だった。まさか夏流城が流行病の末期患者を隔離するためのシェルターだとは思わなかった。相変わらず、純文学のような瑞々しい感性と繊細な文章、恩田さん独自の静謐でノスタルジックな世界観が素晴らしい。恩田さんの作品には、彼女が育った時代・土地の雰囲気や記憶の底流が強く感じられる。それがあの上質なノスタルジーを生み出してるんだと思う。いつか東北を訪ねて、この唯一無二の感性が育まれた土地を見てみたいものです。
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恩田 陸/酒井 駒子
講談社
ISBN: 9784062203449
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