地球星人
村田 沙耶香
新潮社
2021年03月27日頃
概要
恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃、自らを魔法少女と宇宙人だと信じていた二人は秘密の恋人同士だった。だが大人になった由宇は「地球星人」の常識に洗脳されかけていて……。芥川賞受賞作『コンビニ人間』を超える驚愕をもたらす衝撃的傑作。
ステータス
読んだ
NARUMETALさんの感想・評価
出る杭は打たれる。異物は奇異の目で見られ、排除される。だから大多数に従うし、同調圧力に負けたものが最終的に勝つ。 不思議なことに、大きな勢力は自分たちの常識や価値観が当たり前だと思い込んでいる。小さな勢力に対してそれらを押し付け、これこそが正義だと疑わない。 子どもの頃はちょっと変わってる方が個性的だとか言われて一目置かれるけども、成人後はみんな量産型を目指すようになる。生きるためにはそうするしかないからだ。 この星で生きられるマイノリティは、マジョリティが許容できる範囲でしかない。 最後の方にグロテスクな描写があるのは事前に知っていたものの、私は全く不快に感じなかった。 むしろ新たな文明が生まれる瞬間に立ち会えたような美しさがそこにあった。
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