砂の女
安部 公房
新潮社
1981年02月27日頃
概要
砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺める部落の人々。ドキュメンタルな手法、サスペンスあふれる展開のなかに、人間存在の象徴的な姿を追求した書き下ろし長編。20数ヶ国語に翻訳された名作。
ステータス
読んだ
たけさんの感想・評価
男が迷い込んだのは、ゆっくりと砂に呑まれつつある集落だった。村の者は、高さ2mの砂の穴底にある家に泊まるといい、と言う。そこには或る未亡人が住んでいた。男が起きると、地上への縄梯子は消え失せていた……。 砂と朽ちゆく家と未亡人。この本には、砂を含んだ風の音とすえた臭いとがある。それらの中に異質として確かに混ざった、男と女の粘膜の擦れ合いも。 全てが無慈悲で、だからこそ終章があまりにも美しい。 読んでよかった。
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