たけ銀河鉄道の父
銀河鉄道の父

銀河鉄道の父

門井 慶喜

講談社

2017年09月13日頃

概要

明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。 賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。 地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。 父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。 1 父でありすぎる 2 石っこ賢さん 3 チッケさん 4 店番 5 文章論 6 人造宝石 7 あめゆじゅ 8 春と修羅 9 オキシフル 10 銀河鉄道の父

ステータス

読んだ

たけさんの感想・評価

まずタイトルが秀逸。このタイトルだけで『読みたい!』と思った。 大正時代の家長として厳格を装いつつ、息子・賢治をひっそりと溺愛する政次郎。地元の名士として質屋を切り盛りしつつも、胸の内には家業のため中学校への進学を諦めざるをえなかった思いがくすぶる。 長男である賢治も、商いかはたまた学問の道かの分かれ道を選ぶ時がくる。 多くの人間がそうであるように、宮沢賢治の人生もまた分かれ道の連続であった。 そのとき、父は。 令和に生きておられたらさぞ子煩悩を発揮されたろうなぁと思うほどだが、厳格と親馬鹿の妙が宮沢賢治を彼たらしめたのだろうなぁ。 この本は「親子の話」ではなくて、「大人と子ども」の話だと思った。童話作家の生を、大人の目から見つめる話。 とあるページでたまらなくこの本が好きになりました。

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