まずタイトルが秀逸。このタイトルだけで『読みたい!』と思った。 大正時代の家長として厳格を装いつつ、息子・賢治をひっそりと溺愛する政次郎。地元の名士として質屋を切り盛りしつつも、胸の内には家業のため中学校への進学を諦めざるをえなかった思いがくすぶる。 長男である賢治も、商いかはたまた学問の道かの分かれ道を選ぶ時がくる。 多くの人間がそうであるように、宮沢賢治の人生もまた分かれ道の連続であった。 そのとき、父は。 令和に生きておられたらさぞ子煩悩を発揮されたろうなぁと思うほどだが、厳格と親馬鹿の妙が宮沢賢治を彼たらしめたのだろうなぁ。 この本は「親子の話」ではなくて、「大人と子ども」の話だと思った。童話作家の生を、大人の目から見つめる話。 とあるページでたまらなくこの本が好きになりました。
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門井 慶喜
講談社
ISBN: 9784062207508
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