コンビニ人間
村田 沙耶香
文藝春秋
2018年09月04日頃
概要
「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと、私は叫ぶ。古倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて…。現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作。
ステータス
読んだ
selnさんの感想・評価
フィクションだから誇張されているのだろうが、主人公は明らかに何かがおかしい人間だ。しかし、だからといって犯罪者でもないのだからどうこう言われる筋合いはないはず。にも関わらず、あらゆる周りの人間に「普通」こうなのに...と文句を言われる、引かれる。私の感じていた違和感が見事に表現されていた。というか、そもそも私は犯罪者でさえ冷たい視線を浴びる必要は無いのではないかと考える。犯罪は罪というよりも、社会を成立させるための決まり事で、それに反したらただ罰されるという仕組みに過ぎないだろう。そういう価値観だからこそ、私は周りの人間の発言にいちいち引っかかってしまう。主人公は感情的に揺さぶられている訳ではなさそうだが、幼い頃から絶えず世間の目に審判され、翻弄されている。本書は私含め、その窮屈さに鬱憤が溜まっている人にとてもオススメできる。世の中にはそういう問題意識を持つ同志がいると希望が持てるからだ。
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