seln世界から猫が消えたなら
世界から猫が消えたなら

世界から猫が消えたなら

川村元気

小学館

2014年09月18日頃

概要

ついに映画化決定! 郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、奇妙な取引を持ちかけてくる。 「この世界からひとつ何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得ることができる」 僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計……そして、猫。 僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。 二〇一三年本屋大賞ノミネートの感動作が、待望の文庫化、映画化!

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読んだ

selnさんの感想・評価

久しぶりに小説で泣いた。「当たり前の日常を大切にする」とか、「本当に大切なものは身近なものだ」とか、そういうことは頭では理解しているし、その感覚も分かる。とはいえ、私はそれが失われることが果てしなく遠いことに思えて実感がわかないし、失いそうになる/失ったからこそ、その大切さを痛感する。その事を心の底からはっと気付かされた。そして、かつて飼っていた猫が死んだ時のことを思い出して古傷が痛む気分になった。容態が悪くなっても、なぜか明日も生きることが自然かと思っていたから、ある日死んだ時には「ああ、死ぬんだ」ってふつふつと実感が湧いて、固くなった体が現実に思えなかった。私の両親や祖父母にもいつか起きる。あるいは先に私が死んで、私の周りの人が痛感する。だから、安っぽいけれど、改めて周りの人に二度と会えなくなって後悔ないようできることをしたいと強く思った。

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