風と共にゆとりぬ
朝井 リョウ
文藝春秋
2020年05月08日
概要
読んで得るもの特にナシ! 500枚超の楽しいことだけ詰まった大ボリュームエッセイ集。 対決!レンタル彼氏/ポンコツ!会社員日記/冒険!朝井家、ハワイへ/諦観!衣服と私 失態!初ホームステイ/本気!税理士の結婚式で余興/阿鼻叫喚!痔瘻手術、その全貌等 ・ダヴィンチBOOK OF THE YEAR 2017 2位 ・ブクログ大賞2018 ノミネート ・読書メーター OF THE YEAR 2018 3位 多くの読者に愛された、戦後最年少直木賞作家のユーモアあふれるエッセイ集が待望の文庫化。 日経新聞「プロムナード」連載エッセイや、壮絶な痔瘻手術の体験をつづった「肛門記」を収録。また、その顛末が読める「肛門記〜Eternal〜」書き下ろし!
ステータス
読んだ
Ayumiさんの感想・評価
ずっと面白いと聞いていた朝井リョウさんのエッセイ。彼の小説は何度か読みたいなと思ったことがあったものの、テーマ的に興味を惹かれるものがなくて断念していた。面白いとされるエッセイの中には面白くしてやろうという魂胆が見え隠れするものもあり、そういう文章には引いてしまうので、朝井リョウさんのエッセイもあまりの評判の良さに警戒していた。でもYouTubeで「どんなに落ち込んでいても絶対に笑える」と紹介されているのを見て、今だと思って購入。結果、本当に評判通り面白かった。 朝井リョウさんのエッセイの面白さは、何層にも重なっているけれど、まずは言葉選びのセンスが素晴らしい。次々と投げられる変化球に「ここでそんな言葉を持ってくるのか!」と思っていると、また次の文章で意外な言葉が綴られる。読み始めてすぐに「あ、このひとはさくらももこさんが好きだろうな」と思ったのだけど、読み進めているうちに朝井リョウさんの方から「私はさくらももこさんが好き」と申告してくれたので「やっぱり!」という気持ち。それに加えて彼の日常に褒め言葉としてのくだらなさが散りばめられていて、更にはちゃんとオチがついているのも素晴らしい。個人的には「レンタル彼氏」「大好きな人への贈り物」が好きで、これを読んで家族にも読むように勧めたほど。 星をひとつ減らしたのは、「第二部」が新聞での連載だったこともあってか、朝井節が控えめで「普通のエッセイ」になってしまっていることに退屈してかなり飛ばしてしまったから。第一部が濃かっただけに、第二部の物足りなさが引き立ってしまった。そして描き下ろしの肛門記は、第一部と同じトーンだったので面白く読み終えた。 ずっと読んでいると胸焼けするだろうか、と思いながら読み勧めたが、そんなこともなく最初から最後まで朝井リョウというひとの面白さを存分に味わうことができた。ちょっと自虐的で、ひねくれてもいて、頭の回転が早くて、ぶっ飛んでいる朝井リョウさんが好きになったので、新作のイン・ザ・メガチャーチも読んでみたいと思っている。
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