男ともだち
千早 茜
文藝春秋
2017年03月10日頃
概要
29歳のイラストレーターの神名葵は関係の冷めた恋人・彰人と同棲をしながらも、身勝手な愛人・真司との逢瀬を重ねていた。仕事は順調だが、ほんとうに描きたかったことを見失っているところに、大学の先輩だったハセオからの電話がかかってくる。7年ぶりの彼との再会で、停滞していた神名の生活に変化が訪れるーー。解説・村山由佳
ステータス
読んだ
Ayumiさんの感想・評価
イラストレーターの神名と、大学時代の先輩のハセオのソウルメイトとも言える友人関係。二人とも社会的にはどうかと思うモラルの持ち主なのだけど、あまりにケロッとしているので不思議と嫌悪感が湧かない。 何があってもそこにいて、見守ってくれるように、友達としてはもう最高な人材のハセオだけど、彼の過去や気持ちが描かれることがないので、いったいどんな人生を送ってきたんだろうと想像してしまう。神様の暇つぶしの全もそうだけど、千早さんの描く「怖そうで若干影があるような男」が好き。 桜の散る卒業式のシーンが、映像で観たかのように記憶に残る。文字であんなに美しい情景を描けるなんて。 千早茜さんは、無駄のない丁寧な描写が素晴らしい。例えば神名が梨をゴミ箱に捨てるシーン。このくだりだけで、彼女の性格が垣間見える。
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