PRIZE-プライズー
村山 由佳
文藝春秋
2025年01月08日頃
概要
★ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2025 小説部門 第1位! 「どうしても、直木賞が欲しい」 賞(prize)という栄誉を獰猛に追い求める作家・天羽カインの破壊的な情熱が迸る衝撃作! ♦あらすじ 天羽カインは憤怒の炎に燃えていた。本を出せばベストセラー、映像化作品多数、本屋大賞にも輝いた。それなのに、直木賞が獲れない。文壇から正当に評価されない。私の、何が駄目なの? ……何としてでも認めさせてやる。全身全霊を注ぎ込んで、絶対に。
ステータス
読んだ
Ayumiさんの感想・評価
久しぶりに、続きが読みたくて仕方がなくなるほどのめり込めるエンタメ作品に出会えた。発売当初から気になっていたのだけど、未読の作家さんだから足踏みしていた。ダヴィンチのベストブックオブザイヤーに選ばれ、SNSでも2025年のベストブックとして挙げている人が多かったので読んでみたのだけど、噂通り面白かった。 作家と編集者がどんなふうに本を作り上げて、その裏側でなにが起こっていて、賞レースはどんな仕組みになっているのかが物語の中で細かく描かれていて、本が好きな人にはたまらない。しかも登場人物が人間臭くてクセツヨなので、ほんわかハッピーみたいな小説が苦手なわたしには刺さりまくった。 直木賞がどうしても欲しい売れっ子作家の天羽カインの性格の悪さは、以前勤めていた会社の女上司を思い出してトラウマが蘇ったが、天羽カインに関しては仕事へのストイックさや、読者への想い、自分の仕事へのプライドを感じられて、少しずつ嫌悪感が薄れていく。 その反面、仕事のできる子なんだなぁという好印象から始まった編集者の千紘に関しては、だんだんと天羽カインを崇め奉るばかりに視野が狭まっていく様子が気味悪くなっていく。 どうなっていくんだろうとドキドキしながら読んだ最後60ページは、ページを捲る手が止まらず、最後の落とし所にそうきたかと満足感がヒタヒタと押し寄せた。 作家って本当に孤独だろうな。特に上下関係が厳しい日本において、裸の王様になりたくないと怯えながらもそうなってしまっている作家なんてきっと沢山いるんだろう。自分がどうしても欲しいものがどんなに手に入らなくても、どこかで見ている人はいる。欲しいものと「値するもの」は必ずしも一致しているとは限らないのだ。
この本を読んだ人の感想
ショップ
いいね!
あなたの感想も、読書仲間へ
ブックミーで読んだ本を記録して、感想を共有できます。