Ayumi正欲
正欲

正欲

朝井 リョウ

新潮社

2023年05月29日

概要

自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよなーー。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繫がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。

ステータス

読んだ

Ayumiさんの感想・評価

最初にエッセイを読んで、その後インザメガチャーチを読んでとても良かったので、朝井リョウさんの小説をもう少し読んでみたいなと思って購入。もちろん昔から人気だったのは知っていて、映画も作業しながらながら見したのは覚えていたのだけど、細かいストーリーを覚えていなかったので、新鮮な気持ちで読み始めた。 語り手の視点が次々変わる。構成は、インザメガチャーチと同じで、飽きずに読み進められた一方、期待値がちょっと高すぎたのか、よく言われている「自分の価値観がひっくり返った」みたいな読書体験にはならなかった。 世の中はマジョリティに合わせて作られているので、マイノリティ側が窮屈に感じたり、自分らしくいられない、と息苦しく思う構造になっているのは理解しているけど、それにしても、登場人物がみんなうじうじしていて、なんとも歯切れが悪かった。理解されたいのか、理解されたくないのか。見つかりたかったのか、見つかりたくなかったのか。最後まで読んでもスッキリすることなく、期待しすぎてしまったなと反省した。 それと、同じ表現が何度も出てくるところもちょっと気になった。「顔面の肉が重力に負けていく」と言う表現が、何度も何度も使われていて、ちょっとしつこいなと思ってしまった。

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