Ayumi世界99 上
世界99 上

世界99 上

村田 沙耶香

集英社

2025年03月05日頃

概要

この世はすべて、世界に媚びるための祭り。 性格のない人間・如月空子。 彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。 空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。 ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。 当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。 3年以上にわたる著者初の長期連載がついに書籍化。 村田沙耶香の現時点の全てが詰め込まれた、全世界待望のディストピア大長編! 【著者略歴】 村田沙耶香(むらた・さやか) 1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。

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Ayumiさんの感想・評価

村田沙耶香さんの作品が好きなら必読の一冊。 これまでの村田さんの作品をまとめ上げたかのような仕上がりの壮大なディストピア小説。 上巻で描かれるのは、これまでわたしたちが生きてきた世界に近しい世界。差別、虐め、モラハラ、性被害などが一般的な世界で、空子は自分の性格を持たず、安全で合理的に生きるために相手に「呼応」しながら生きている。 コミュニティによってキャラを使い分けることは誰にでもあると思うけれど、属するコミュニティから見た世界の違いについての描写や、「世界②にいると世界③にいるときに感じていることが感じられなくなる」といったような描写があるように、空子はとても極端に、そして徹底的にキャラの使い分けをしている。 エンターテイメント性があるのが上巻で、最初から引き込まれるだけでなく、中盤からのジェットコースターに乗っているような話の盛り上がりがすごい。読み終えたらすぐ下巻を読みたくなる。

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