Ayumi贅沢貧乏
贅沢貧乏

贅沢貧乏

森 茉莉

講談社

1992年07月01日頃

概要

華麗な想像力、並はずれた直観力と洞察力。現実世界から脱却して、豊饒奔放に生きた著者が全存在で示した時代への辛辣な批評。表題作「贅沢貧乏」「紅い空の朝から……」「黒猫ジュリエットの話」「気違いマリア」「マリアはマリア」「降誕祭パアティー」「文壇紳士たちと魔利」など豪奢な精神生活が支える美の世界。エッセイ12篇を収録。 ●贅沢貧乏 ●紅い空の朝から…… ●黒猫ジュリエットの話 他

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Ayumiさんの感想・評価

森鴎外の娘の森茉莉の「贅沢な趣味を持ったお嬢様の貧乏生活」を綴ったエッセイ。 独特の文章につまづきながらも、面白すぎて読み終わりたくなかったほど。自分のことを「牟礼魔利」や「マリア」と読んだり、地名や人名をちょっと変えていたりして、エッセイでありながらどこか小説みたいな不思議な読感。 独特の世界観の中で、質素ながら豊かな生活を送る森茉莉に、現代に生きるわたしたちもインスパイアされる箇所がたくさん。 ちょっと自虐的ながらも「でもわたしはこういう人間なんだもーん」みたいな吹っ切れてる感が清々しい。自分のことを「顔も姿も駄目だが、心とようすだけは美人だと、自惚れているからで」とか「勿論よくよく見れば、争えぬ品位というよりは、のろまな感じが、用をしたことのない人間を、表明しているが」などと自虐的に書いたかと思えば「家事には無能、その上にかてて加えて、贅沢病であるから、生活方法には魔法が必要である」とスカッとするほどの開き直り。努力ではなく魔法が必要というのが森茉莉。 と思えば哲学的な思想や、おっと思う美しい表現があったりして、飽きずに楽しめる一冊。

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