星のように離れて雨のように散った
島本 理生
文藝春秋
2023年09月05日
概要
小学生の頃に失踪した父をモデルにした創作小説と宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を修士論文に選んだ私。賢治の未完の物語に導かれるように、私は押し込めていた過去の自分と向き合っていく。そして結婚を前提に同棲を望む恋人との関係に息苦しさを覚え始めるー。迷いや痛みを抱えるすべての人に光射す傑作小説。
ステータス
読んだ
Pokkeさんの感想・評価
わからなさの中で読み進めた。春が自分をどう解釈しているのかがずっと見えず、春ではない誰かがずっと語り手になっているような浮遊感がある。それは結末とゆるやかにつながっていた。家族のこと、結婚のこと、研究のこと、それぞれの登場人物との関わり、重層的でどれが決定的にストーリーに寄与するというのでもない。複雑性を複雑性のまま掬い上げる小説。当社比では大人びた読書だったかも。
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