ゆっぱ華胥の幽夢 十二国記
華胥の幽夢 十二国記

華胥の幽夢 十二国記

小野 不由美

新潮社

2014年01月

概要

王は夢を叶えてくれると信じた。だが。 才国(さいこく)の宝重である華胥華朶(かしょかだ)を枕辺に眠れば、理想の国を夢に見せてくれるという。しかし、采麟(さいりん)が病に伏すいま、麒麟が斃(たお)れることは国の終焉を意味する国の命運は──「華胥」。雪深い戴国(たいこく)の王が、麒麟の泰麒(たいき)を旅立たせ、見せた世界は──「冬栄」。そして、景王(けいおう)陽子(ようこ)が親友楽俊(らくしゅん)への手紙に認(したた)めた希(ねが)いとは──「書簡」。王たちの理想と葛藤を描く全5編。

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ゆっぱさんの感想・評価

十二国記本編に連なる短編集。「乗月」が風流があって1番好き。1番インパクトがあったのは表題の「華胥」。王朝の最期を描いた話だが、現代の私たちに通じるリアルさがあった。そしてどんなホラー話よりホラー。読んでいて色んな意味で肝が冷える瞬間が何度もあった。そして山田画伯のあまりに美しすぎる表紙が逆に不気味だ…。一見ただただ美しいが、白い服は喪服、王の失道を促した華胥華朶を持って幸福そうに微笑んでいる采麟。 「責難は成事にあらず」 「正す、ということは、そういうことではないのかしら。そちらじゃない、こちらだと言ってあげて初めて、正すことになるのじゃない?」 「人を責めることは容易いことなんですよね。特に私たちみたいに、高い理想を掲げて人を責めることは、本当に簡単なことです。でも私たちは、その理想が本当に実現可能なのか、真にあるべき姿なのかをゆっくり腰を据えて考えてみたことがなかった気がするんです」

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