ゆっぱ東の海神 西の滄海 十二国記
東の海神 西の滄海 十二国記

東の海神 西の滄海 十二国記

小野 不由美

新潮社

2013年01月

概要

国が欲しいか。ならば一国をやる。延王尚隆(えんおうしょうりゅう)と延麒六太(えんきろくた)が誓約を交わし、雁国(えんこく)に新王が即位して二十年。先王の圧政で荒廃した国は平穏を取り戻しつつある。そんな折、尚隆の政策に異を唱える州侯が、六太を拉致し謀反を起こす。望みは国家の平和か玉座の簒奪(さんだつ)か──二人の男の理想は、はたしてどちらが民を安寧(やすらぎ)に導くことになるのか。そして、穢れを忌み嫌う麒麟を巻き込む争乱の行方は。

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ゆっぱさんの感想・評価

胸熱。時間軸の進め方、話の構成の仕方に唸る。ここでこれを持ってくるのはずるいでしょ!!となる。 王として政治する者の一人称が一貫して「自分という人間」ではなく、完全に「国の機能」で、とんでもない器だなと畏怖のようなものを感じた。 悪役の醜さが「実は誰の心にもささやかに宿ってるのでは?」という性質のものだったので、作中の登場人物と一緒に目を背けたくなった。 「人は正義を標榜するのだ。王や君主でさえ正義の御旗がなければ兵を動かすことなどできない。実体のない正義だ。だから正義が行われて、民はあれほど苦しまねばならない。」 「首を落とされる程度のことが何ほどのことだ。民は俺の身体だ。民を殺されるは身体を刳られることだ。首をなくすよりそれのほうが余程痛い」 「このまま戦乱になって王が斃れれば、あたしのこの子を誰かが井戸に投げ込むんだわ。それが、仕方ない、でまかり通ってしまう荒廃がまたやって来る。それでもいいの?」 「指摘されたら、ぼんくらだから猿真似しか能がないと言ってやろう」

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