月と六ペンス(新訳)
W・サマセット・モーム/行方 昭夫
岩波書店
2005年07月15日頃
ステータス
読んだ
メモ
p.149 過去など念頭にないな。関心があるのは永遠に続く現在だけだ p.196 ここが好きだったのは、彼女がいて明るい家庭をつくってくれたからだ。
yunaさんの感想・評価
妻,子ども、仕事。全てを捨てて絵に生きた男の話。主人公の小説家が語り手となり、ストリックランドの生き方を描く。 男は人や通俗的なものに興味関心が一切なく、自身の中に湧き立つ何かに突き動かされるように生きていた。それを表現する方法として絵を描いていた。 敬愛する芸術家に、愛する妻を奪われ、プライドも威厳も持たずただ戻ってきてくれることを乞う姿に同情せざるを得なかった。 家を妻に明け渡したが、結局妻は自殺した。久しぶりに自宅のアトリエに愛する妻のヌードが。絵具落としでキャンバスを突き刺そうとするが、あまりの作品の出来に傷付けることができなかった。嗚咽混じりの叫び声、嫉妬にもがき苦しむ姿に、心が締め付けられた。どうしようもなく許せないが、敬愛してたまらない。彼にとっての美を完全な形で完成させた作品を、穢せない。行き場のない強い感情はどう昇華させれば良いのか。
この本を読んだ人の感想
ショップ
いいね!
あなたの感想も、読書仲間へ
ブックミーで読んだ本を記録して、感想を共有できます。