異性
角田 光代/穂村 弘
河出書房新社
2014年11月06日頃
概要
好きだから許せる?それとも、好きだけど許せない?男と女は互いにひかれあいながら、どうしてわかりあえないのか。「恋愛カースト制度の呪縛」「主電源オフ系男女」「錯覚と致命傷」など、カクちゃん&ほむほむが、男と女についてとことん考えてみた、話題の恋愛考察エッセイ。
ステータス
読んだ
メモ
◎反射的に口をついて出たらしい「代わってあげたい」の背後にある、一瞬の洪水のようなシンパシーに圧倒されたのだ ◎ある時期「かわいい」のインフレが起きて、かわいいと指摘することによって、自分より大きいもの、強いものから脅威を削ぐ術も、私たちは覚えたように思う ◎相手の恋の針が、願わくばときどきは振りきれてほしいのである ◎未婚女性が増えたのは、好みを変えない、己の審美眼を更新もせず変更もせず信じ続ける女性が増えたということだと思う ◎好きなタイプが頑なに変わらないということは、…
◎反射的に口をついて出たらしい「代わってあげたい」の背後にある、一瞬の洪水のようなシンパシーに圧倒されたのだ ◎ある時期「かわいい」のインフレが起きて、かわいいと指摘することによって、自分より大きいもの、強いものから脅威を削ぐ術も、私たちは覚えたように思う ◎相手の恋の針が、願わくばときどきは振りきれてほしいのである ◎未婚女性が増えたのは、好みを変えない、己の審美眼を更新もせず変更もせず信じ続ける女性が増えたということだと思う ◎好きなタイプが頑なに変わらないということは、また、好みが老いないということでもある ◎私は長らく美容院童貞だった ◎「とても真面目」であることが彼から何かを奪っている。佇まいの緩さというか、いい加減さというか、遊びというか、或る種のスペースのようなもの ◎わたしが小説を書こうと思い、書き続け、なお書きたいと願う、その核の部分は、きらきらしたまぶしい正のものではなくて、黒くてゆがんで湿った負さのもの、という気が、どうしてもしてしまうのである ◎角田さんの小説家としての人間観察力?それとも、女性としてのおまえらいい加減にしろよ力? ◎「好き」でつきあっている相手に対してよりも、「好き」だけどまだつきあっていない相手に対しての方が許容度が高くなる傾向がある、ということだ ◎多くの女性たちのように心の中の許容ラインが本当に変動しているわけではないのだ ◎男の人にとって「モノはモノ」であるが、女性にとって「モノはワタシ」なのではないか。その「モノ=ワタシ」は、アイデンティティとは似て非なる何かのように思う ◎女性はだいたい誠実モンスター
ほわほわさんの感想・評価
女性の角田さんと男性の穂村さん。2人がそれぞれの性別を代表する気性の持ち主かと言われると疑問だが、それでも男女の感覚の違和は存分に伝わってきた。むしろ男の中の男、女の中の女ではないからこそ普遍性の高い違和と共感が成立している気さえする。理解できる部分や疑問点はテーマを超えて引用・反論し、さらに私見を加えていく。読み進めていくうちに確証のテーマはあくまで区切りの意味であり、実際には2人で長々と話しているのを見学しているような気分になってくる。背表紙にある“恋愛考察エッセイ”という言葉に合点がいった。こんなにも興味をそそられる魅力的なエッセイがあったとは…もったいないことをしていたなぁと思う。テレビやラジオでも対談形式のインタビューや討論をよく目に(耳に)するが、ここまで惹かれない。なぜだろうと考えたときに、この2人があまりにも繊細で細やかな具体例と言葉の描写を有しており、さらにそれらを一般的事象に昇華する速度が速い点にあると感じた。よくもまぁそんなに昔のことを昨日今日の出来事のように状況まで説明できるな、とわたしは思ってしまう。単に記憶力の差なのか、その時々の感覚に敏感なのか、はたまたその都度忘れないよう記録を取っているのか、理由は不明だが、トーク展開に分かりにくさや消化不良が生じないのはさすがプロ。それなりにくだけた言い回しの中に感性の良好さと同時に双方尊重し合う心持ちが垣間見えるのもまた良い。
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