ほわほわセンセイの鞄
センセイの鞄

センセイの鞄

川上弘美

文藝春秋

2004年09月02日頃

概要

駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆったりとした日々。谷崎潤一郎賞を受賞した名作。

ステータス

読んだ

メモ

◎大時代(古めかしく大袈裟で時代遅れなこと) ◎標榜(主義、主張などをはっきりと掲げ示すこと) ◎呵々かか(大声で笑うさま) ◎蕭々しょうしょう(風雨・落葉などの音の物寂しいさま) ◎そこに肌が触れれば、すっと切れて赤い血がにじみ出るだろう鋭い刃先を見ているうちに、センセイに会いたくなった ◎爽気そうき(さわやかな空気) ◎「さほどではないのですが」と言いながら、さほどな様子をしている ◎馥郁ふくいく(よい香りが漂うさま) ◎敷衍ふえん(意味・意義をおしひろめて説明すること。…

◎大時代(古めかしく大袈裟で時代遅れなこと) ◎標榜(主義、主張などをはっきりと掲げ示すこと) ◎呵々かか(大声で笑うさま) ◎蕭々しょうしょう(風雨・落葉などの音の物寂しいさま) ◎そこに肌が触れれば、すっと切れて赤い血がにじみ出るだろう鋭い刃先を見ているうちに、センセイに会いたくなった ◎爽気そうき(さわやかな空気) ◎「さほどではないのですが」と言いながら、さほどな様子をしている ◎馥郁ふくいく(よい香りが漂うさま) ◎敷衍ふえん(意味・意義をおしひろめて説明すること。また、分かりやすく詳しく説明すること) ◎妻は笑いながら茶を飲み、ワタクシは怒りながら茶を飲みました ◎鷹揚おうよう(ゆったりと振る舞うこと。余裕があって目先の小事にこだわらないこと) ◎退嬰的たいえいてき(進んで新しいことに取り組もうとしないさま) ◎茫洋ぼうよう(つかみどころがない) ◎確信に満ちて、逡巡する奴だったよな、大町って ◎夜の気分は放っておくと大仰に育つ ◎雄渾ゆうこん(雄々しくて勢いがいいこと。力強くてよどみのないこと) ◎理由なく優しくされるのは、居心地が悪い。しかし公平に扱われるのは、気分がいい

ほわほわさんの感想・評価

まずこの作品で感じたのは、語彙が豊富だということ。センセイという設定上なのか作者の特性なのか分からないけれど、熟語や初耳ワード(自身の無知もある)が多かった印象だ。同じ意味を表す言葉が他にも多く存在するのに一般的でない用語を使っているのは、センセイと主人公の年齢差を浮き彫りにするためなのかもしれない。思えば語り口調や語尾にもどこか不思議な味わいが漂っていた気もする。 モテないわけではないツキコさんが先生という人間に惹かれる過程は本当にありきたりな日常の風景での中にあって、いつどこで大きく変わったということではない。二人の不器用で意地っ張りで踏み込み切れない関係性の上で成り立つものから、徐々に自分の気持ちに素直になっていく。ある種理性というか自分の信念が揺らいだ状態のような、そこで剥き出しにさらされた本心に従うかのような。先生と生徒という立場から離れたことで、そして出会うべくして出会ったかのような再会で、ゆっくりと暖め合うプラトニック的関係(実際は違うけど)が形成されていく様は心地よかった。 よくある恋愛ものとは毛色が異なるためか、焦ったさのようなものを感じることなく一緒に微睡むことができた。 時間経過としてはそんなにスローではないけれど展開が穏やかな作品に若干の苦手意識が芽生え始めていたけれど、これは読んで良かったと思える作品だった。

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