74ザリガニの鳴くところ
ザリガニの鳴くところ

ザリガニの鳴くところ

ディーリア・オーエンズ/友廣 純

早川書房

2023年12月05日頃

概要

ノースカロライナ州の湿地で青年の遺体が見つかる。村の人々は「湿地の少女」カイアに疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられ、人々に蔑まれながらたった一人湿地で生き抜いてきたカイアは果たして犯人なのか

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74さんの感想・評価

タイトルからして興味をそそられるこの小説を本屋で何度も目にしながら手に取るのを躊躇っていたわけだが、このSNSに投稿していた誰かの感想に背中を押されてついに読む機会を得た。まずはその人に謝意を示したい。 本作における自然描写は動物学者である作者ディーリア・オーエンズ女史の知識と経験に基づいており、舞台となる湿地の息遣いをじかに感じるようである。物語はミステリ、成長、ロマンス、差別などの要素を孕み、それ故に色んな方面から読者の感傷を引き立てる。作中に曰く「詩は人に何かを感じさせる」。少なくとも自分には文章を読むうちに自らと照応して感じいるものがあった。とりわけ孤独を愛し、孤独に苛まれたものとしては。 強調されるのは二面性で、それは自然の法則として最後まで作品についてまわる。物語の結末をどう考えるべきか、わたしの中の天秤は未だにそれを決めかねているのだが、それでもこの本は自分が人生で出会った素晴らしい一冊のうちに数えられることだけは請け負うつもりだ。

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