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元の読書記録を見る月の扉の感想・レビュー
石持浅海
光文社
ISBN: 9784334740450
読者の感想・読書記録
ブックミーに投稿された公開の読書記録です。感想はそれぞれの読者の意見です。
読書歴の浅い自身にとって、ミステリー小説はかなりハードルが高く感じられていた。本のページをめくってすぐに飛行機の座席表と登場人物名が記載されているのを見て、「あぁこれは謎解きタイプの書籍なのか」と若干尻込みした。しかしさすが友人イチオシ石持浅海さん、一元さんお断りの姿勢ではなく100人中100人が理解できる造りになっていた。一時的に行間で読ませるとしても、必ずそのクエスチョンにアンサーを与えてくれる。 この要因としては、作者が展開を考えてから登場させる人物像を作り上げる手順を踏んでいるためと考えられる。だから人ありきの曲解らしきものは見当たらなかったし、ミステリーという枠に囚われすぎない人間関係や幻想も織り込ませていて飽きがこなかった。 また、「本だからこそできること」を最大限に発揮した構成だったと思う。ドラマや映画だも、キーとなる場面や伏線回収の際、やたらめったら効果音や表情の変化で匂わせてくるのが気になってしまう。 しかし本は文字が唯一のツールであるため、他のメディアで感じる不快なほどの違和を回避できる。そこを活かして、敢えて言葉として「コトっ」「なにかが引っかかった」とつまづきを作っても、意識の許容範囲内で留めていられた。 さらに回収も大小様々な事象がつながっていて、表情の誤認や冒頭からの裏切りなど小さな誤解の粒が大きな事態急変を引き起こすトリガーになった。小説的な現実から大きく飛躍する夢物語を側面を持ちつつ、どこか理解できる感覚。 タイトルの「月の扉」は比喩ではなく言葉通りの意味を含んでいた。「月が輝いていた」という一文の広義性には思わずうなづいてしまう自分がいた。私は、新たなる「本の扉」を開いたのかも。なんつって。
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