本の感想・レビュー
私が鳥のときは

私が鳥のときはの感想・レビュー

平戸 萌

河出書房新社

ISBN: 9784309031576

読者の感想・読書記録

ブックミーに投稿された公開の読書記録です。感想はそれぞれの読者の意見です。

にねさん

デビュー作とは思えない、圧巻の青春小説でした。 表題作「私が鳥のときは」 タイトルの意味がわかったとき、まなうらに真っ青な空が浮かびました。じんわりと胸があたたかくなって、泣きそうになりながら、この小説は、まさに今を生きている少女たちに読んでほしいと強く思いました。 作中の少女たちはそれなりに息苦しさや苦悩を抱えて生きていますが、代えがたいひと夏を過ごすなかで、いろんな感情に出会います。醜かったり、いやらしかったり、この世は良いモノばかりとはいえません。でもそれ以上に、うつくしいもの、きらきらしたもの、かけがえのないものがあるということを、この小説はさりげなく教えてくれているような気がします。 今まで、少女向けに書かれたものがたりを愛読し、もう少女とは呼べない年になった私だからこそ、胸を張って少女たちにおすすめしたい小説です。 「アイムアハッピー・フォーエバー」 こちらもとても良かったです。表題作よりもボリューミーで、読みごたえがありました。 作者の平戸萌さん、登場人物の人となりの表現や、映像が目に浮かぶような情景描写がとてもお上手なのですが、私がすきなのは登場人物たちが集まってわちゃわちゃ楽しそうに何かしているところ。 ストーリー自体は青春小説にありがちな、大それたドラマが起こるわけでもなくひと夏が過ぎていくのですけども(もちろん、彼女たちにとってはじゅうぶんすぎるドラマではあるのですが)、クライマックスに向けて彼女たちが仕掛けるサプライズへのワクワク感が、きちんと肌感覚として伝わってくるのです。私も彼女たちの仲間になって、この最高にハッピーな瞬間に立ち会いたい、と心から思える、さわやかな読後感でした。 これからの活躍を応援したい、新たな作家さんとの出会いに感謝を込めて。

元の読書記録を見る

あなたの感想も、読書仲間へ

ブックミーで読んだ本を記録して、感想を共有できます。

ブックミーアプリをダウンロード