これまで読んだ中でもかなり後味の悪いお話。 全体的にどんよりとしていて、ところどころにどうしようもないえぐさがある。 “いい人”な大人は誰ひとりとしていない。澱んだ思考は進化を求めない、田舎に生きるというのはきっとこういうところを含めてだと思う。 由貴美は事実を知っておきながら高校生である広海に対してよくあんなことが出来たと思う。彼女の母も、広海の両親も気持ちが悪い。けれど、真っ向から非難は出来ない。 許されない最低なことをした人だけど、村を裏切らない理由が作中でも唯一綺麗ですごく温かいものだった。息をするのもやっとな閉塞的な田舎に現れた達哉だけがきっと救いだった。
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辻村 深月
文藝春秋
ISBN: 9784167901578
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