なんとなく予想はできていた結末だけど、想像していなかった背景や過去が絡み合っていた 辛く、受け止めるのに時間がかかることに変わりはないけど、主人公たちに勇気をもらった
元の読書記録を見るアフター・ユーの感想・レビュー
一穂 ミチ
文藝春秋
ISBN: 9784163920429
読者の感想・読書記録
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ミステリ要素のある小説はさほど好まないけど、一穂ミチさんの筆力には信頼を置いているので、新刊が出たと聞いて迷わず購入。 当たり前に旅行から戻ってくると信じて疑わなかった恋人が帰ってこない。しかもその恋人多実は、五島列島の遠鹿島で男性と海難事故に遭い、行方不明になったという-というストーリー。ひとり喪失感に見舞われる青吾のもとに、多実と一緒に行方不明になった男性波留彦の妻が訪ねてくるところからストーリーが展開していく。 二人が訪れる遠鹿島の閉鎖的な雰囲気。誰もが彼もを知っていて、プライバシーなんてない田舎独特の空気。そこで少しずつ明らかになる二人の過去。 確かにミステリ要素は強めで、最初1/3くらいを読んだ時点では「やっぱりミステリ向いてないのかな‥」なんて思いながら歩み遅く読んでいたのだけど、島であることが起こったところから、わたしの心は持ってかれた。これを「ファンタジー要素」と形容する人もいるけど、わたしはファンタジーなんて大袈裟なものじゃなく、切なくて大切な人を亡くした人はきっと一度は願うだろうことだと思った。しかも毎回同じ展開な訳ではなくて、少しずつ真実に近づくヒントになるという展開も上手い。 ミステリが苦手な理由のひとつに、文章の美しさよりも謎解きに重きが置かれ、エンタメ要素が強く出てくるからと言うのがあるが、一穂ミチさんの文章は軽いのに美しくて、描写が細やかで、飽きることがない。含みを持たせ、余白を残しながらも、物語はサクサクと動いていく感じ。会話の中にちょっと面白さが滲む部分も、「ほらどうだ笑えるだろう」みたいな押し付けがましさがなく、笑かしてやろうという作者の意図ではなく、登場人物たちが少しずつ心を開いている描写の一つにすぎない、そのさりげなさも好きだった。 終盤30ページほどは切なくて、最後読み終わってもじーんと切なさが滲む小説だった。一穂ミチさんは短編が好きだけど、長編なら「光のとこにいてね」よりも好きだった。
元の読書記録を見る読み終わりました… 主人公は青吾という男性。 10年も一緒に暮らした恋人が旅行に行って帰ってこない… 恋人は海難事故で行方不明になっていた。 そこから恋人と一緒に旅行に行っていた男性の妻と2人がどんな関係だったのか、なぜ2人で海に出たのか調べていくお話し。 これは自分自身にパートナーがいる人は読むのが辛いところもあると思う。 日常が当たり前になってるけれど、それも幸せなんだと思わされる小説でした。
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