華氏451度、それは本に火が移り、燃え上がる温度。 そう遠くない未来に生きる主人公は『昇火士』であり、本を燃やすことが仕事だ。 この話の中では、本を持つことはそれ自体が危険思想の持ち主であるとされ弾圧される。 火を燃やすことは愉しかった……そんな一文から始まるのだが、主人公はある葛藤を抱えていた。 そしてその葛藤は、ある少女との出会いによって浮き彫りにされていく。 2回読んだ。特に序盤は、1回目ではとても理解できない。 この本全体に深い悲しみを感じる。 本を求めない世界への批判でもなく、本を求める情熱でもなく、失われていく思考性への悲しみ。それは、指の間からこぼれ落ちていく大事なものを見つめながら、掬い上げる術を持たない社会への深い悲しみのような視線だと思った。 人間と共にあり続ける火、そして文字と本。 これから私たち人間はどこに行くのだろうというSF作品の根源テーマを感じ取る事ができた。
元の読書記録を見る華氏451度〔新訳版〕の感想・レビュー
レイ・ブラッドベリ/伊藤 典夫/小野田 和子
早川書房
ISBN: 9784150119553
読者の感想・読書記録
ブックミーに投稿された公開の読書記録です。感想はそれぞれの読者の意見です。
とても有名な海外SFみたいです。 お薦めされたので読みました。 とても読んでいて楽しかったです、表現や会話のテンポが好きでした。 火を消す消防士ではなく、火を付ける昇火士がいる未来 本を奪われ燃やされる未来
元の読書記録を見る本を燃やすことが正しいとされる世界。 Fire Man (昇火士) の物語。 初めてのディストピア小説でした。 世界に抗おうと必死にもがく描写がすごく良かった。 「火を燃やすのは楽しかった」 冒頭が読みやすいおかげで、すんなりと世界観に入り込める。
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