本の感想・レビュー
本当はちがうんだ日記

本当はちがうんだ日記の感想・レビュー

穂村 弘

集英社

ISBN: 9784087463538

読者の感想・読書記録

ブックミーに投稿された公開の読書記録です。感想はそれぞれの読者の意見です。

ほわほわさん

「整形前夜」のように各章ごとに思考回路の大きな違いがなく、「もしもし、運命の人ですか」に近いものを感じた。 タイトルにある通り、穂村さんの日常生活の根源にあるなにかを懇切丁寧に説明してあるイメージ。本来なら会ったこともない作者のこれほどまでに偏った持論展開を読んでいるんだろうと手が止まりそうだが、なんせ面白い。タイトルから内容のイメージを膨らませるが、想像を遥かに超える歪さについつい笑みが溢れる。〝お前が言うな!〟のツッコミ待ちなのかと思うほどに、他人への意見は非常に客観的かつ的を得ていることが多い。 でもその意見は形を変えて作者に通ずるものがあったり、世の常に倣ったものだったりする。分かってはいるけど変えられない自分の姿を通して世間の不条理・差異に切り込む手法の巧さは一級品。 “一般的には”羨ましがられる状況や出来事でも、ほむほむこと穂村さんにかかれば“怖い”“恐ろしい”という感情に置き換えられる。その変換機能は幼い頃から養われていたようで、本当に日常の小さな小さな取るに足りない場面が鮮明に記憶収納されている。当たり前に疑問を呈する、常識の倒錯を試みる、逆説的に自身のベースを整えていく。 ひとつひとつにとことん向き合い脳みそを24時間フル稼働させた結果、あたりの熱量にエラーの赤ランプがずっと表示されている、そんな危機感を私に与えてくれる。 “当然”に和合・迎合しない作者を、絶滅危惧種として是非保護・研究対象にしてほしい。

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