本の感想・レビュー
この世の喜びよ

この世の喜びよの感想・レビュー

井戸川 射子

講談社

ISBN: 9784065296837

読者の感想・読書記録

ブックミーに投稿された公開の読書記録です。感想はそれぞれの読者の意見です。

こうたろうさん

あまりにも独特な文体が気になって、読んでみた。 詩作からスタートされた作家さんということもあり、詩を読んでいるかのような心地で読み進めた。 二人称で進んでいく物語は、読書歴の浅い自分にとってあまりにも新鮮で、強烈な印象を覚えた。 ずーーーっと主人公の頭の中を見ているような感覚。 いい意味で、あまり内容を覚えていない気がする。 「あなたに何かを伝えられる喜びよ、あなたの胸を体いっぱいの水が圧する。」

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鳥羽萬楽さん

一人称が二人称や三人称なのがとても印象的。作品全体を通して人の中にあるなんでもない風景がポッと出てきて、その表現が作品に2色3色どころではない彩りを添えている。物語によって登場人物が前に進んだり、明るくなったりするわけではないが、細やかな日常の一つ一つがより鮮明になる感覚がある。『この世の喜びよ』、『マイホーム』は世の母親はどこかで体験していそうな話で、『キャンプ』は自分がいつか体験したものに似ていると感じた。あまり表に出てこない記憶を呼び起こし、それが一つの宝物であることを認識させられる作品だった。

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