三秋縋 僕が電話をかけていた場所 主人公・深町陽介は、顔の右半分に大きな痣を持つ高校生。その外見から自信を持てず、他人との関わりを避けて生きてきました。ある日、公衆電話の受話器を取ると、謎の女性から「賭けをしませんか?」と持ちかけられます。その内容は、初恋の相手・初鹿野唯と恋人になれれば痣を消すというもの。賭けに乗った陽介の痣は消えますが、再会した初鹿野の顔には、かつての陽介と同じ痣が現れていました。 初鹿野は痣の消えた陽介を妬み、自宅に閉じこもります。陽介は彼女の心を動かそうと努力し、友人の檜原と千草の力を借りて、毎晩彼女の星空見学に同行することに成功する。しかし、初鹿野は檜原に想いを寄せているように見える…。 果たして、初鹿野と恋人同士になれるのか。 だいぶ夏の情景の強い作品です。終わらない夏休み、夏祭り、天体観測、雨の中の道連れ、深夜の学校のプール、そして海辺の街。 実は作品のテーマは、今まで読んだ三秋さん作品の中で一番重くて難しいのかもしれません。 そこよりは三秋さんがあとがきで書かれているサマーコンプレックスという言葉に惹かれました。みんな素敵な青春の象徴として、夏への理想や想いがある。でもそんな素敵な夏を過ごせた人は少なく、夏へのコンプレックスを人は懐いている、と。私もそうかもしれません。 青春の苦悩や、夏の情景、その雰囲気を味わいたい人にはおすすめの作品かもしれません。
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三秋 縋
KADOKAWA
ISBN: 9784048654425
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