薄雪僕が電話をかけていた場所
僕が電話をかけていた場所

僕が電話をかけていた場所

三秋 縋

KADOKAWA

2015年09月24日頃

概要

もう一度、あの恋に賭けてみようと思った。 二ヶ月連続、上下巻構成で贈る三秋縋の完全新作。 ずっと、思っていた。この醜い痣さえなければ、初鹿野唯の心を射止めることができるかもしれないのに、と。「電話の女」の持ちかけた賭けに乗ったことで、僕の顔の痣は消えた。理想の姿を手に入れた僕は、その夜初鹿野と再会を果たす。しかし皮肉なことに、三年ぶりに再会した彼女の顔には、昨日までの僕と瓜二つの醜い痣があった。 初鹿野は痣の消えた僕を妬み、自宅に閉じこもる。途方に暮れる僕に、電話の女は言う。このまま初鹿野の心を動かせなければ賭けは僕の負けとなり、そのとき僕は『人魚姫』と同じ結末を辿ることになるのだ、と。

ステータス

読んだ

メモ

三秋縋 僕が電話をかけていた場所 主人公・深町陽介は、顔の右半分に大きな痣を持つ高校生。その外見から自信を持てず、他人との関わりを避けて生きてきました。ある日、公衆電話の受話器を取ると、謎の女性から「賭けをしませんか?」と持ちかけられます。その内容は、初恋の相手・初鹿野唯と恋人になれれば痣を消すというもの。賭けに乗った陽介の痣は消えますが、再会した初鹿野の顔には、かつての陽介と同じ痣が現れていました。 初鹿野は痣の消えた陽介を妬み、自宅に閉じこもります。陽介は彼女の心を動…

三秋縋 僕が電話をかけていた場所 主人公・深町陽介は、顔の右半分に大きな痣を持つ高校生。その外見から自信を持てず、他人との関わりを避けて生きてきました。ある日、公衆電話の受話器を取ると、謎の女性から「賭けをしませんか?」と持ちかけられます。その内容は、初恋の相手・初鹿野唯と恋人になれれば痣を消すというもの。賭けに乗った陽介の痣は消えますが、再会した初鹿野の顔には、かつての陽介と同じ痣が現れていました。 初鹿野は痣の消えた陽介を妬み、自宅に閉じこもります。陽介は彼女の心を動かそうと努力し、友人の檜原と千草の力を借りて、毎晩彼女の星空見学に同行することに成功する。しかし、初鹿野は檜原に想いを寄せているように見える。 ある日、初鹿野は行方不明になったという知らせを受ける。探そうとする陽介。捜索を千草には断られる。翌朝、初鹿野は命を取り留めるが、海に飛び込んだことが判明する。 対して、千草はそもそも賭けのことを知っていたようだ。彼女とのやり取りから、彼女が賭けの経験者であること。彼女がかつて陽介が幼き頃に入院していた際の病室仲間であることがわかる。彼女は陽介を慕っており、動かない足を動かしてもらう代わりに、陽介の心を得ようとしていた。 そんな千草も海の泡と消える。 初鹿野も千草も消えて、不審に思う檜原。独自に調査を進め、かつて初鹿野に何があったかを調べていく。初鹿野は、痣ができてしばらくしてから性格が変わったという。また、性格が変わったタイミングにおいて、町の近くの山で中学生が2人焼死体で発見されていた。何か関わりがあるに違いないと睨む檜原。檜原は2度と初鹿野に会わないという。 初鹿野の姉に呼び出される陽介。初鹿野と面会させられる。陽介に関する記憶を忘れていることがわかる。陽介は、檜原のふりをしてしまう。 退院後は、初鹿野の祖母の家で2人で過ごす初鹿野と陽介。だんだん仲良くなっていく。 そんな長い、死んだ千草から手紙が届く。電話をかけてきた魔女を探すのではなく、ただひたすら初鹿野と過ごせと書いてあった。 夏を共に過ごす2人。ある日彼女の日記を見てしまう。そこには、焼死した2人の学生との関係が書かれていた。痣ができ、落ち込んでいた初鹿野と、やはり自尊心の低い2人の学生。3人は慰めあっていた。ただ、初鹿野以外の2人はどんどんとヤケになり、酷いことをするようになっていた。放火を死、人を殺してしまった。巻き込まれていく初鹿野。共に自殺をするように強要されるがなんとか逃げ出す。過去を知った陽介。 2人は美渚夏祭りに共に行く。彼女の歌う『人魚の詩』を聞く陽介。かつてを思い出す。 陽介が顔のアザを気にして不登校になったとき、毎日のように初鹿野が家に来てくれていた。痣を消すために遠くの神社に行って、凍えそうになったときも寄り添ってくれていた。共に大事な時を過ごしていた。 賭けの最終日、初鹿野は告白する。日記を読んだこと。そこに初鹿野は檜原ではなく陽介が好きだと書かれていたこと。陽介の足枷にはなりたくなかったこと。陽介や友人と出会い、人生を謳歌するようになった自分が許せなったこと。そのため海にとびこんだこと。 初鹿野が眠りについたあと、千草が現れる。いや、千草ではなく人魚だった。人魚は千草のふりをしていた。本当の千草は無事に退院して、幸せに暮らしていることとを知る。人魚はかつて悲しい経験をしていた。そのため、浜辺であった陽介を幸せにしようとしていた。 人魚である千草は賭けは陽介の勝ちだという。しっかりと初鹿野は、檜原のふりをする陽介が陽介であることを見抜き、好きになっていると言う。いろいろな試練を与えたのも2人がそれを証明して欲しかったからだという。そして人間自体も、千草として陽介を好きになっていたという。 賭けに勝ち、陽介と初鹿野は共に過ごせることになった。人魚に言われた最後の仕事として、キスを交わす。

薄雪さんの感想・評価

三秋縋 僕が電話をかけていた場所 主人公・深町陽介は、顔の右半分に大きな痣を持つ高校生。その外見から自信を持てず、他人との関わりを避けて生きてきました。ある日、公衆電話の受話器を取ると、謎の女性から「賭けをしませんか?」と持ちかけられます。その内容は、初恋の相手・初鹿野唯と恋人になれれば痣を消すというもの。賭けに乗った陽介の痣は消えますが、再会した初鹿野の顔には、かつての陽介と同じ痣が現れていました。 初鹿野は痣の消えた陽介を妬み、自宅に閉じこもります。陽介は彼女の心を動かそうと努力し、友人の檜原と千草の力を借りて、毎晩彼女の星空見学に同行することに成功する。しかし、初鹿野は檜原に想いを寄せているように見える…。 果たして、初鹿野と恋人同士になれるのか。 だいぶ夏の情景の強い作品です。終わらない夏休み、夏祭り、天体観測、雨の中の道連れ、深夜の学校のプール、そして海辺の街。 実は作品のテーマは、今まで読んだ三秋さん作品の中で一番重くて難しいのかもしれません。 そこよりは三秋さんがあとがきで書かれているサマーコンプレックスという言葉に惹かれました。みんな素敵な青春の象徴として、夏への理想や想いがある。でもそんな素敵な夏を過ごせた人は少なく、夏へのコンプレックスを人は懐いている、と。私もそうかもしれません。 青春の苦悩や、夏の情景、その雰囲気を味わいたい人にはおすすめの作品かもしれません。

この本を読んだ人の感想

「僕が電話をかけていた場所」の感想・レビューをもっと見る

ショップ

Amazon楽天

島江らむのコンテンツをアプリでチェックしましょう

薄雪

あなたの感想も、読書仲間へ

ブックミーで読んだ本を記録して、感想を共有できます。

薄雪のコンテンツをアプリでチェックしましょう