け落語速記はいかに文学を変えたか
落語速記はいかに文学を変えたか

落語速記はいかに文学を変えたか

櫻庭 由紀子

淡交社

2024年03月21日頃

概要

〈文学を変えた「言文一致運動」、そこには落語が大きく関わっていた!〉 〈明治の名人の噺を味わう唯一の方法「口演速記」の魅力に迫る〉 寄席に行かずに落語を知る画期的な方法として明治期に生まれた「口演速記」。三遊亭圓朝ら当時の人気落語家の速記本は好評を博し多くの読者を獲得しました。一方、二葉亭四迷らの言文一致運動にも多大な影響を与え、日本近代文学史上においても重要な役割を果たしています。演芸速記の誕生秘話や発展の歴史、そして坪内逍遙、夏目漱石ら作家たちとの関わりなどを解説しながら、明治期の落語を現在に残す第一級の史料である口演速記について考察。文学ファンのみならず、ディープな落語ファンの要求にも応えます。

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けさんの感想・評価

今当たり前のように読書体験を享受できていることも、歴史を知るといかにありがたいことかが分かる。 今私たちが口語体での本を楽しめているのは、「二葉亭四迷の言文一致運動のおかげ」と学校で教わる。ただ、よくよく考えれば分かることだけど、書き手がいくら文体を変える運動をしても、文語体で慣れている読み手側が口語体を受け入れられない限りは言文一致になり得ない。言文一致運動の中で「読み手がどのように口語体の文章を受け入れるようになったのか」と民衆側の文化を知れることは面白い。そして落語の貢献度はすごい! また、自分は映画好きでもあるんだけど、最近「映画のネタバレや感想レビュー動画を見て、映画を見に行かない人が増えている」ことが映画界で問題になっている。 昨今のファスト思考が問題視されているけど、今作を読むと「歴史は繰り返すんだなあ」とつくづく感じる。 落語も、落語速記が出回ってから寄席に行く人は減ってしまったという。速記を読むことだけで楽してしまうから、寄席のハードルが上がってしまったんですね。落語単体で見たら嘆かわしいことだけど、ただそのおかげで口語口調の文章への抵抗感がなくなり、現代文学が急速に広まった。 映画も観ない人が増えていく代わりに、相互に影響し合って他の文化が栄えていくようになるのかな。

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