魯肉飯のさえずり
温 又柔
中央公論新社
2020年08月21日頃
概要
母は、わたしの恥部だったーー 申し分のない夫・聖司と結婚し、〈ふつう〉の幸せになじもうとするも、にわかに体と心は夫を拒み、性の繋がりも歪になっていくーー密かに声を殺して生きた子ども時代の〈傷〉に気づくとき、台湾の祖母、叔母、そして異国に渡った母の一生が心を揺らす。 夫と妻、親と子それぞれの〈過ち〉を見つめる心温まる長編小説
ステータス
読んだ
けさんの感想・評価
とても惹き込まれる文で一気に読めました。 夫婦、男女、主従、…色々な関係があるけれど、相手を思いやれるかどうかは、相手を理解しようとする姿勢と努力ではないかと最近になってより一層感じます。 台湾人の母と日本人の父を持つ主人公。母は異国日本で言葉の壁にぶつかり、娘への思いをうまく伝えられないでいる。母の苦労が読んでいて結構しんどかった…。 そんな中少しずつ自立していく主人公が母の立場を理解して、徐々に親子の気持ちが通じ合っていく。少しずつ救われていく感じがとても心地良かった。 実は自分、大学時代に休学して1年半ドイツとオランダに留学してたんですが、当時は楽しい10%、辛い90%でした。当時は「誰も自分を受け入れてくれない」「日本人だから変な見られ方する」と被害者ぶってたけど、そもそも自分がドイツオランダの人や文化に直に触れて溶け込もうという努力や、「自分はこうだと分かって欲しい」というエゴが足りなかったな。自分が辛いのは半分自分のせいだった。 そう気づけたのは帰国直前くらいだったのでめちゃめちゃ悔しい思いをしたんですね。 ただこの1年半があったからこそ、今では国籍や性別や年齢に限らず、他人のせいにしないで相互理解できるような道がないかコミュニケーションできるようになったかなとも思います。楽しいだけの留学だったら今頃もっと幼稚な大人になってたと思う。 台湾行って本場の魯肉飯食べたいな〜。 色んな文化や人に直に触れて、他者を少しずつ理解していきたい。
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