パリの砂漠、東京の蜃気楼
金原 ひとみ
集英社
2023年04月20日頃
概要
一歳と四歳の娘を連れ、周囲に無謀だと言われながら始めたフランスでの母子生活。パリで暮らし六年、次第に近づいてくる死の影から逃れるように決意した、突然の帰国。夫との断絶の中でフェスと仕事に混迷する、帰国後の東京での毎日。ずっと泣きそうだった。辛かった。寂しかった。幸せだったー。二つの対照的な都市を舞台に、生きることに手を伸ばし続けた日々を綴る、著者初のエッセイ集。
ステータス
読んだ
nanaさんの感想・評価
パリと東京を股に掛け書かれた、エッセイという名の私小説。 おそろしい本だった。 この本には希死念慮そのものが描かれている。心の弱っている人が読めば、希死念慮に連れて行かれるだろう。 テロが身近な為、むしろ自らと死の間に距離を置けるパリ。パリに比べれば平和な為、ぼんやりとした死が自らに迫り来る東京。 この本を読んでいる間、どちらにも住んでいない私はどちらの風景にも紛れていた。死が目の前に在った。 おそろしい本だった。 子供や友人の何気無い描写、また、好きな音楽のくだりに救いがあって良かったと心から思う。 心身共に余裕のある時だけ読む事をおすすめする。 著者が好きな音楽を好きなだけ聞いて、心身をゆっくり休める事が出来たらと願わずにはいられなかった。 私は初めて金原ひとみ作品を読んだ。彼女は文章が巧い。
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