死神と天使の円舞曲
知念実希人
光文社
2022年05月25日頃
概要
2匹の勇気が、きっとあなたを強くする!『優しい死神の飼い方』『黒猫の小夜曲』を超える、予測不能なスペクタクル!黒猫のクロは、今まさに自殺しようとする料理人に出会う。彼は婚約者に拒絶され、さらにその彼女を喪い、絶望の淵に追い詰められたのだ。一方そのころ、ゴールデンレトリバーのレオもまた、新たな「未練」を解決しようと動き出した。「人魂」の噂が飛び交い、不審火事件が続く街で、一体何が起きているのか。すべての謎が一つに繋がったとき、シリーズ最大のピンチが2匹に迫っていた。『我が主様』の命により、動物の姿を借りて地上に降り立ったレオとクロ。彼らの本質は高位な霊的存在、いわゆる「死神」「天使」-。「生と死」に寄り添う隣人たちの、心震わせるミステリーシリーズ第3弾!
ステータス
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メモ
8→212.ガスマスク 19.基本的にネコ同士は鳴き声でコミュニケーションを取らない。あれは、ネコがその美しい身体で示すジェスチャーの機微をなかなか理解できない人間に、仕方なくやっているものだ。人間はちょっと言葉に頼りすぎている。彼らもネコのように、全身から醸し出す雰囲気でコンタクトを取るという高等技術を身に付けるべきだ。 26.相手の意識に干渉して心の壁を払うという、俗に言う『催眠術』をかけないといけない (いわゆる催眠は単に人をコントロールするもののように映るが、あく…
8→212.ガスマスク 19.基本的にネコ同士は鳴き声でコミュニケーションを取らない。あれは、ネコがその美しい身体で示すジェスチャーの機微をなかなか理解できない人間に、仕方なくやっているものだ。人間はちょっと言葉に頼りすぎている。彼らもネコのように、全身から醸し出す雰囲気でコンタクトを取るという高等技術を身に付けるべきだ。 26.相手の意識に干渉して心の壁を払うという、俗に言う『催眠術』をかけないといけない (いわゆる催眠は単に人をコントロールするもののように映るが、あくまでも人を安心させ、信頼を獲得することに意味がある。心の壁を払い、深層心理を揺さぶり、暗示をかけるという流れであり、それが人をコントロールしているように映っているにすぎない。) 264.言霊は言葉ではなく精神の振動のようなものなので、言語を持たない獣にも十分に通じて便利だ。 290.人間は醜く悪意に満ちている存在だよ。この地上を我が物顔で蹂躙する、寄生虫のような生物だ。けれど、その一方で、どこまでも優しくて、温かい生き物である。その二つを同時に併せ持つ不思議な存在。それこそが人間なんだよ。 295.僕たちも人間と同じく、善良な顔と邪悪な顔、両方を持ち合わせているんだ。 296.人間は普段は傲慢にふるまっているが、心の底では大自然に対する畏怖を持っている。特にこの国の人間はな。だから、...自然災害で命を落とした場合、地縛霊になることはほとんどない 307.消えるのは怖い。けれどな、やるしかないんだ。大切な友達のためにな/ 彼女の遺した病院。それを守ることは、私の存在意義だ。「我が主様」から賜ったものではなく、自ら手に入れた存在意義。そのためなら私はどうなってもかまわない 316.僕たちは人間から『天使』と呼ばれる。なら、『奴ら』は堕ちた天使、つまりは『悪魔』または、奴らこそが『死神』と呼ばれる存在なのだろう。 (第一作「優しい死神の飼い方」のタイトル回収がされていて、少し感動) 325.(レオ視点なのに「あなたとレオがまた地上に」というセリフがレオに向けられているのは誤植?クロとレオを間違えた?) レビューとかで、「カラスの描写が薄く、感情移入しづらい」とか言われそうな文章だと思った。 みきとさんの小説は複数の小事件とそれを結びつける大事件の二つで構成されることが多く、読んでいて楽しい。特に本作では前作までの出来事を回収する描写が多くワクワクさせてもらった。
ひろきさんの感想・評価
実希人さんの小説は複数の小事件とそれを結びつける大事件の二つで構成されることが多く、読んでいて楽しい。特に今作では前作までの出来事を回収する描写が多くワクワクさせてもらった。 本作のテーマは“傲慢と善良”であると言える。死神としての活動にもアイデンティティは伴う。それが「我が主様」の命に応えるという存在意義なのか、あるいは身分か、あるいは自らの経験の上に成り立つ別の存在意義なのか。 “傲慢と善良”というと作品として有名なものがあるし、他タイトルにおいても、これがテーマとして置かれるものは多いだろう。やはり、人の在り方、善悪といった題はいつの時代も我々を悩ませる。 人が真に“善良”になれる時はあるのだろうか。それこそ、親友や家族のためなら、その身も捧げられるのだろうか。 その身を捧げるという行為すら、残される者のことを思えば“傲慢”なのかもしれない。 読後、背表紙を見ると、ベンチの上に赤とピンクの縞模様の薔薇があることに気づく。「私はあなたを忘れない」
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