52ヘルツのクジラたち
町田そのこ
中央公論新社
2023年05月25日
概要
2021年本屋大賞第1位。待望の文庫化。 52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そ のためこの世で一番孤独だと言われている。 自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるーー。 〈解説〉内田剛
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メモ
1人、海辺の街に住み着いた貴瑚。 煩わしい田舎での人間関係が嫌になる。そんな中、1人の少年に出会う。ムシと呼ばれ、実母からネグレクトを受けていて、喋れなくなっている少年。そんな彼に貴瑚は通じるものを感じる。 貴瑚は52ヘルツのクジラの話を伝え、彼を52と呼ぶことにする。52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く孤独なクジラのこと。 52の母、琴美は彼を要らないという…。 そんななか、かつての友人、美晴が貴瑚を訪ねてくる。美晴はとことん、貴瑚に付き合うと…
1人、海辺の街に住み着いた貴瑚。 煩わしい田舎での人間関係が嫌になる。そんな中、1人の少年に出会う。ムシと呼ばれ、実母からネグレクトを受けていて、喋れなくなっている少年。そんな彼に貴瑚は通じるものを感じる。 貴瑚は52ヘルツのクジラの話を伝え、彼を52と呼ぶことにする。52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く孤独なクジラのこと。 52の母、琴美は彼を要らないという…。 そんななか、かつての友人、美晴が貴瑚を訪ねてくる。美晴はとことん、貴瑚に付き合うという。 美晴の助けも借りて、52のかつての親族を探しにいく貴瑚。そこで、52の叔母はもう亡くなっていることを知るが、52の経緯や彼の本当の名前が愛=いとしであることを知る。 帰りのホテルの中で美晴から貴瑚はアンさんのその後についてを聞かれる。 アンさんとは貴瑚の恩人のこと。貴瑚はかつて家族から酷い扱いを受けてきた。義理の弟ばかり大事にされ、母には顧みられない。そして、父の介護を押し付けられていた。そんな最中、彼女を地獄から助けてくれたのがアンさんだった。 アンさんは明らかに貴瑚を愛していたが、貴瑚に想いを告げてはくれない。そのうち、職場で貴瑚は新名主税に身染められる。主税は、社長の息子ではあったが婚約者であった。主税に愛人になれと言われる貴瑚。彼を受け入れた貴瑚であったがアンさんは貴瑚のことを思い、それを妨害しようとする。主税は、アンさんの過去を興信所を使い探り、アンさんがトランスジェンダーであることを暴露する。失意の中、アンさんは自殺してしまう。アンさんの遺書も燃やしてしまう主税に激怒した貴瑚は、主税を切り付けてしまう。全てを知り、泣きながら貴瑚を抱きしめる美晴。それが罪だというのなら、わたしにも罪を半分償わせてと。 52を育てていく決意をする貴瑚。琴美の母親の昌子に出会い、相談して、15歳になったら引き取る決意を固める。 全てのかたがつて、皆でBBQをしている中、やはりネグレクトをしていた52の祖父が殴り込んでくる。貴瑚が殴られそうになったとき、助けてくれたのが愛であった。助けてくれたんだね?と聞く貴瑚、これからもっと強くなるという愛。 これから2人で頑張っていこうねという貴瑚。 そして52ヘルツのクジラを想う。「わたしでいいのなら、全身で受け止めるからどうが歌声を止めないで。52ヘルツの声を、聴かせて。」
薄雪さんの感想・評価
1人、海辺の街に住み着いた貴瑚。 田舎での煩わしい人間関係が嫌になっていた。そんな中、1人の少年に出会う。ムシと呼ばれ、実母からネグレクトを受けていて、喋れなくなっている少年。そんな彼に貴瑚は通じるものを感じる。 貴瑚は52ヘルツのクジラの話を伝え、彼を52と呼ぶことにする。52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く孤独なクジラのこと…。 貴瑚には悲しい過去があった。 実家で受けていた虐待のこと、そんな環境から助けてくれた恩人がいたこと。そんな恩人の愛に気付かず失ってしまったこと。 この小説のあらすじは書くことは簡単なんですが、魅力はそこにはないと思います。 全ては出会いなんだと思わせる小説です。 どんな出会いが人を助けてくれるか。あるいは人を損なわせてしまうのか。貴瑚の友人美晴の貴瑚に対する気持ちは、ちょっと目頭熱くなるところがありました。 52ヘルツのクジラを想う。「わたしでいいのなら、全身で受け止めるからどうが歌声を止めないで。52ヘルツの声を、聴かせて。」 2021年の本屋小説大賞、映画化もされた作品ということだけあって、とても気持ちのいい作品です。
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